「国家公務員の過去問は解答が手に入らない?」
そうなんです。国家公務員の試験の過去問は申請して手に入れることができる(お金がかかります)のですが、過去問の解説は手に入りません!
普通に勉強している人も、独学で勉強している人も過去問の解説がなければ、それは「効率が悪い勉強」となってしまいます!
見ていただいているみなさんに効率よく勉強してもらえるように、私が国家一般職の試験H28、H29の「土木の過去問を2年分」解いていこうと思います!
ではまいりましょう!
地方上級も過去問を2年分解いているので参考にしてみてください。
過去問の入手方法がわからない方はこちらを見てみてください。

俺も独学で勉強してるから解答がなくて勉強するのが大変だったんだよ~!
サンキューせんせい!

目次
- 1 【土木・過去問】国家一般職『平成29年度』マジ解説!
- 1.1 【土木・過去問】国家一般職:No.21「曲げモーメント」
- 1.2 【土木・過去問】国家一般職:No.22「断面2次モーメント」
- 1.3 【土木・過去問】国家一般職:No.23「ひずみ」
- 1.4 【土木・過去問】国家一般職:No.24「たわみ」
- 1.5 【土木・過去問】国家一般職:No.25「浮力(喫水)」
- 1.6 【土木・過去問】国家一般職:No.26「水の衝突力」
- 1.7 【土木・過去問】国家一般職:No.27「マニング」
- 1.8 【土木・過去問】国家一般職:No.28「有効応力」
- 1.9 【土木・過去問】国家一般職:No.29「圧密・体積圧縮係数」
- 1.10 【土木・過去問】国家一般職:No.30「三軸圧縮試験」
- 2 【土木・過去問】国家一般職『平成28年度』マジ解説!
- 2.1 【土木・過去問】国家一般職:No.21「単位荷重法」
- 2.2 【土木・過去問】国家一般職:No.22「曲げモーメント図」
- 2.3 【土木・過去問】国家一般職:No.23「影響線・最大曲げモーメント」
- 2.4 【土木・過去問】国家一般職:No.24「曲げ応力度」
- 2.5 【土木・過去問】国家一般職:No.25「オリフィス」
- 2.6 【土木・過去問】国家一般職:No.26「流れの状態」
- 2.7 【土木・過去問】国家一般職:No.27「跳水現象」
- 2.8 【土木・過去問】国家一般職:No.28「クイックサンド」
- 2.9 【土木・過去問】国家一般職:No.29「室内せん断試験」
- 2.10 【土木・過去問】国家一般職:No.30「時間係数・圧密度」
- 2.11 関連
【土木・過去問】国家一般職『平成29年度』マジ解説!
平成29年度の問題はこの10問です!
【構造力学】
【水理学】
【土質力学】
本気で解説していきますのでよろしくお願いいたします!
ではいきますよ!
【土木・過去問】国家一般職:No.21「曲げモーメント」
No.21は曲げモーメントとせん断力を求める基本的な問題ですね。
基礎がきちんと理解できているのであれば非常に簡単な問題となります。
わからない人はこの問題を復習して覚えてしまいましょう!
曲げモーメントが作用している梁のポイント
では解いていきます!
- まずは支点の反力を求める
- 自分で置いた文字の符号がマイナスのときは力の向きが逆
- すでに作用しているモーメントは大きさ
- 単位を意識して計算してみる
図の8Pℓや3Pℓは大きさを表しています。(Pは力、ℓは距離)

今までずっと回転させる力は「力×距離」だと言ってきましたよね!
単位の部分を意識してみるとうまく理解できるかもしれません。
時計回りの力=反時計回りの力
とりあえずa点での反力を上向きにおいて計算しました。
これは適当に文字でおいておけばOKです!

力を図示(反力の向きに注意)
計算した結果、符号がマイナスだったので反力は上向きではなく下向きということがわかりました。
b点で切って考えてみる
b点にはせん断力と曲げモーメントが作用しています。
Mbを求めるときも「時計回りの力」=「反時計回りの力」で計算しています。
Qbは鉛直方向のつり合いだけで求まります。
曲げモーメントが作用している梁のアドバイス
- すでに作用している曲げモーメントの扱いには注意しましょう!
- 曲げモーメントの単位を意識してみると、計算等もすぐになれると思います。
- 断面にはせん断力と曲げモーメントがはたらきます。
- 力を文字で置くときは、向きは適当でOKです。正しかったらプラス、反対だったらマイナスになるだけなので。
- 一度解法や考え方を覚えてしまえば、次からは簡単に問題が解けると思います。

よくある間違いに『曲げモーメントの大きさに距離をかけて計算してしまう×』というものがあります。
「曲げモーメントの大きさ=力×距離」で求められるので勘違いしやすいです。
今回の問題でいう8Pℓや3Pℓは曲げモーメントの大きさで、これはすでに計算された値(回転方向も決まっている)ということです。
⇒なのでモーメントのつり合いをとるときに、8Pℓや3Pℓなどはそのまま値を使えばOKです!
▼曲げモーメントが苦手な方はこちら
▼曲げモーメントの基礎はこちら
【土木・過去問】国家一般職:No.22「断面2次モーメント」

No.22は断面2次モーメントの問題ですね。超頻出分野です。
公式をきちんと理解していないと解けない問題ですが、公式を使えれば解けるので絶対に落としたくない問題です。
断面2次モーメントのポイント
- 断面2次モーメントの公式はI = Ix +A×y2です。
今回の問題で異なる点はyですね。 - そして三角形の図心軸に関する断面2次モーメントはbh3/36です。
これは絶対に覚えておきましょう!
三角形の図心軸に関する断面2次モーメントの公式

三角形の図心軸に関する断面2次モーメントは暗記していなければいけません。
図心軸から距離がある!
公式を覚えていたら簡単な問題ですよね。
このレベルの問題は解けるようにしておきましょう。
アドバイス
公式が覚えにくいのでできなかった人も多いかもしれませんが、私が今回紹介した断面2次モーメントの公式だけ覚えておけばOKです。
簡単な図形の図心軸に関する断面2次モーメントは絶対に暗記しておきましょう!


あれだけ断面2次モーメントは大事だって言ってあったからな。
【土木・過去問】国家一般職:No.23「ひずみ」

No.23はひずみの問題の中でも基礎的な問題です。
ひずみの問題自体難しい部類なのですが、かなり丁寧な誘導がついています。
勉強している人は正解させたいところです。わからなかった人はこの問題で練習しておきましょう!
ひずみの問題を解くポイント
ひずみの問題は内容的には難しいですが解法が決まっているんです。
一通りの流れを覚えておけば、実際の問題を解くときにその流れのまま解いていけば答えを求めることができます。
今回の問題を解いて、その解法をマスターしてしまいましょう!
では実際に解いていきます。
ひずみの公式(応力度)

使用する公式はこちらの応力度の公式です。
実際のひずみは公式の中のΔのところです。
xで切って、つり合いの式!
単位体積重量に体積をかければ、重力となります。
重力はAxw
棒の体積はAxなので、重力はAxwとなりますね。
ここで一旦おいておきます。
微笑要素dxの伸び量をΔdxとして考える


Δdx/dxというのは微小単位で考えたときの軸ひずみのことなので、
実際の変位Δというのは、この式を0~5aまで積分したものとなります。
後は積分するだけ!
ここまでできたら、あとは計算するだけです。
めちゃくちゃ難しく感じますが、一度解法や考え方をマスターしちゃえば、実際の問題はスラスラ解けちゃうと思います。
出題される問題がこのパターンしかないので、今回の問題で流れをマスターしておきましょう!
アドバイス
難しく感じるかもしれませんが、この問題をマスターしておけばひずみの問題で困ることは少ないと思いますので、実際に出題されたら「ラッキー」って思うようになると思います。
【土木・過去問】国家一般職:No.24「たわみ」
No.24は超頻出のたわみの分野から出題された問題ですね。
重要な公式の”梁のたわみを求める式”だけでは解けません。
とはいってもばねと一緒に出題されるパターンも頻出ですから取りたい1問ですね。
たわみのポイント
たわみのポイントから説明します。
- ばねによる反力をF(上向き)とおきます。
- 梁にかかるPという力はこのばね反力Fによって小さくなります。
- なので梁にかかる力は(P-F)と表すことができます。
- フックの法則よりF=kΔとなります。
- Δ(変位)=F/kとなおします。
- ポイントは(P-F)による梁のたわみ(変位)とばね反力によるこのΔ(変位)が等しいということです。
b点に働く力について考えてみる
文章で書いても理解しにくいと思うので、実際に解いて紹介していきますね!

フックの法則を使う!Δはたわみ!

ばね反力が上向きにはたらく!

合力は(PーF)ということになります。
たわみの公式を使ってb点のたわみを求める
梁の全長は2Lなので注意が必要ですね。
「ばねの変位(Δ)」というのは「b点でのたわみ(変位)」と等しくなれけばいけません!
ばねの変位=b点でのたわみ

自分でばねの反力をFと置いたのでその力を求めたら、あとはフックの法則を変化(Δ=の形に)させた式に代入すれば終わりです。
少し難しく感じるかもしれまえせんが、この問題は非常に良い問題なので、一通りの解法は確実にマスターしておきましょう!
アドバイス
初めてこの問題を解いてみて解けないのは当然です。
この問題を理解して次同じ系統の問題が出た時に確実にできるようにしておきましょう!


【土木・過去問】国家一般職:No.25「浮力(喫水)」
No.25は浮力の問題です。
最近浮力の問題が頻出しているので勉強しておいた方がよさそうですね。
浮力の問題を解くポイント
公式は
- 浮力F=ρgV (ρ:密度、V:体積、g:重力加速度)
- ρV=m(質量)
この2つです。
ポイントは”重力=浮力”です。
ρ(物体の密度)×g×V(物体の体積)=ρ(水の密度)×g×V(水中の部分の体積)
式で表すとこうなりますね。
では解いていきたいと思います。
浮力の問題で使う公式

この公式の浮力と重力を求めて等式でつなげば答えがわかります。
重力の大きさを求める

沈んだ部分をXとして、体積を求める

このように物体の底辺からの高さをXとおいてそのまま計算していきましょう。
浮力を求めて、「浮力=重力」
浮力Fは上向きに作用します。喫水は2.4mとなります。
浮力は水中の体積と水の密度を使うので注意が必要です。
アドバイス
浮力の問題は「下向きの重力」と「上向きの浮力」がつりあって静止しています。
この力を図示して計算していきましょう。
密度が水と物体とで異なるので注意が必要です。
【土木・過去問】国家一般職:No.26「水の衝突力」
No.26は水の衝突力の基礎問題です。
水の衝突力は難しい問題が多いですが、この問題は誘導つきの穴埋め問題です。

有名な問題なので、この問題を通して理解してしまいましょう!
有名な問題がそのまま問題となっているので、問題文は省かせていただきます。
まずは流速を分解


「流体と壁面間の摩擦を無視すると衝突後も速度が変わらない」ということは知っていなければなりませんね。
(ただ、この問題の場合は問題文に書いてありました。)
運動量は保存される


これが答えです。
アドバイス
難しそうに見えるかもしれませんが、物理の力学の基礎がきちんと理解できていればすぐにマスターできちゃうと思います!
水の衝突力(基礎)や力学の基礎部分について簡単に勉強したら、いきなりこの問題にチャレンジしてOKだと思います。
【土木・過去問】国家一般職:No.27「マニング」


No.27は超頻出のマニングの式を使う問題です。
少しひねってある問題ですが絶対に落としてはいけません。
マニングの式を使う問題を解くポイント
- ”マニングの式をきちんと理解しているか”
- ”径深Rの公式をきちんと理解しているか”
この2つが問われる問題ですね。
とくに径深Rの式は忘れがちなので気をつけましょう。
公式をノートに書いてからこの問題を考えてみましょう!
マニングの式と径深Rの公式
まずはこの公式を問題の隅にでも書いておきましょう。
vが最大で流量Qも最大、径深Rが最大のとき流量Qも最大

潤辺Sが小さいほど、径深Rは大きくなる

潤辺は分母にあるので値が小さいほど流量は大きくなります。
たとえば1/1と1/10では1/1の方が大きくなりますね。
潤辺Sが小さいほど、流量Qは大きくなる


公式を覚えていればこのように簡単に解くことができます。
アドバイス
マニングの公式は頻出なので公式を絶対に覚えておきましょう!

しかも簡単だから絶対に落とさないように!

【土木・過去問】国家一般職:No.28「有効応力」
No.28は有効応力の問題ですね。最近よく出題されています。
この問題と同じパターンの問題がいくつも出題されているので、この問題を通して有効応力の問題はマスターしてしまいましょう!
有効応力の問題を解くポイント
有効応力の問題の解法は決まっています。
地下水面を基準に考えてみてください。
- 地下水面より上は”土の湿潤単位体積重量”、
- 地下水面より下は”土の水中単位体積重量”
を使います。
「土の水中単位体積重量=土の飽和単位体積重量ー水の単位体積重量」です!
シルト層などがある場合はシルトの湿潤単位体積重量を使いましょう。
地下水は土の水中単位体積重量を使う

1[m2]あたりの土の重さ、水の重さが有効応力とイメージするとわかりやすいかもしれません。
土や水の重さ≒有効応力
重力が下向きにはたらくので、その垂直抗力のようなものです。
図でイメージするとこんな感じですね。重さに対する抗力のことです!
このように図示して考えてみると簡単な問題ですね。
アドバイス
有効応力の問題って解き方を覚えてしまったらめちゃくちゃ簡単なんです。
そのうえ頻出なので絶対にできるようにしましょう!


【土木・過去問】国家一般職:No.29「圧密・体積圧縮係数」
No.29は圧密の問題ですね
体積圧縮係数の公式を使うことに気づかなければいけませんが、これに気づけば超簡単です。
体積圧縮係数の公式を使う
実際に解いていきたいと思います!
どの公式を使えばいいのかしっかり勉強して見極められるようにしましょう!
アドバイス
「この問題がきたらこの公式で解く」という感覚を勉強して身につけなければいけません。
当然公式自体は覚えていなければいけません。
【土木・過去問】国家一般職:No.30「三軸圧縮試験」
No.30は三軸圧縮試験、ダイレイタンシーからの出題ですね。
この分野からの出題は多いので勉強しておくべきですね。
圧密・排水条件等の出題も多いです
では答えを紹介していきますね。
間違えの選択肢を載せてもしょうがないので、正解だけのせておきました。
アドバイス
非排水条件なのでせん断中の土は”体積が変化しない”んですね。
そして密な状態の砂はせん断によって緩い状態になるとき水などを吸収します。
外部から水が入ってきてほしいがこない。
このように引っ張られる水には負の過剰水圧が発生するわけです。
理解できない場合は、とりあえずこの答えを覚えておきましょう!


【土木・過去問】国家一般職『平成28年度』マジ解説!
平成28年度の問題はこの10問です!
【構造力学】
【水理学】
【土質力学】
本気で解説していきますのでよろしくお願いいたします!
ではいきますよ!
【土木・過去問】国家一般職:No.21「単位荷重法」

No.21は構造力学の単位荷重法をつかう問題ですね。

”単位荷重法で解く”という考えが出てこなかった時点で解くのは難しいでしょう。
逆に単位荷重法で解くということが頭に浮かんだ場合はものすごく簡単な問題となります。
接点法を使ってトラスの軸力を求める!
実際に解いていきますね!
まずはトラスの軸力を求めていきます。
※節点法ではなく、力のつり合いの関係から、軸力を求めます↓(節点法は誤り)3:4:5の三角形なので、これに気づくことができるとすぐに求められますね。
もちろん角度をθとおいて力を分解すればOKです。
単位荷重法の公式を使う!
あとは公式に当てはめるだけですね。
上の線がついているものはP=1としたときの軸力となります。
値を代入していけば終わりですね。
この問題のポイントは’’単位荷重法を使うということに気づく’’ことです。
使い方はあらかじめ勉強しておかなければなりませんが、これに気づくだけで一気に簡単な問題となってしまいます。
アドバイス
この問題を見た時に「単位荷重法」という解法が頭に浮かぶことがまず第一歩です。
公式の使い方は何回も解いて覚えていきましょう!

切って考えてみても全然解けないんだよ。
単位荷重法で解くって後で気づいたときに「あ~なるほど!」って思ったよ。

【土木・過去問】国家一般職:No.22「曲げモーメント図」
No.22はせん断力図と曲げモーメント図の概形を求める問題ですね。
超重要で超頻出の問題です。
曲げモーメント図のポイント
- まずは反力を図示して大きさを求めましょう。矢印の向きは最初は適当に文字で置いてOKです。
- モーメントつり合いをとったときに、”文字の符号がプラスなら矢印の向きが正しい”、”文字の符号がマイナスなら矢印の向きが逆”と覚えておいてください。
- ”ヒンジ点では曲げモーメントはゼロになる”というのもポイントとなります。
- 反力が求まり次第、適当な位置で切ってその都度大きさを計算し、曲げモーメント図の形を求めていきましょう!
では解いていきますね。
まずは働く力を図示!
まずは支点に作用する反力を図示します。
A、E点ともに回転支点なので反力数は2でタテとヨコですね。
この時点ではプラスかマイナスかわからないので、文字だけ置いておきます。
後でモーメントのつりあいをとったときに正負がわかります。
反力の大きさを求める!

図示しなおして、モーメントのつり合いを考えてみる!


モーメントのつりあいを考えるときははたらく力に十分注意しましょう!
A点に自分がいると思って時計まわりの力と反時計まわりの力を考えると理解しやすいです。
計算すると文字の正負がわかる
そして、モーメントのつりあいよりE点での反力は上向きということがわかります。
計算すると文字の正負がわかる

水平反力の向きも両方左むきということがわかりましたね。
この反力の向きは非常に重要なので、きちんと求められるようにしましょう!

仮にE点で最初に矢印を下向きに置いたときは、マイナスがつくのでそれで判断できます!
とりあえずは適当に矢印の向きを置いておけばOKです。
適当に切って、MとQをその都度求める!
では反力が求まったので適当なところで切ってモーメントとせん断力をその都度求めていきます。
曲げモーメントMはAB間ではA点からの距離に比例して大きくなりますね。
曲げモーメントは力×距離
曲げモーメントの大きさは”力 × 距離”ですからね。
例えばX = 0のときはM=0、
X=h/2のときはM=2P/3 × h/2でM=Ph/3、
X=hのときはM=2P/3 × hでM=2Ph/3
このように距離に比例して大きくなっています。
要所要所で大きさを計算してみる
BからCにかけてはMは小さくなっていきますね。
最終的に曲げモーメントはC点でゼロになります。
右側も同様に求めていけば終わりです。
同じ作業なので説明は省かせていただきます。
せん断力図と曲げモーメント図完成
最終的にせん断力図と曲げモーメント図はこのようになります。

要所要所で計算して出た値を、線でつなぐだけですね!
『せん断力』に関しては
- E点からD点にかけてはどこで切ってもQ=P/3
- D点からC点にかけてはどこで切ってもQ=-Ph/ℓとなります。
『曲げモーメント図』に関しては
- D点での曲げモーメントが-Ph/3になります。
- E点からD点にかけては比例してマイナスが大きくなります。
ME=0からMD=-Ph/3へ - D点からC点にかけて比例してマイナスが小さくなります。
MD=-Ph/3からMC=0へ
比例しているので線で結んだものが曲げモーメント図となります。
アドバイス
今回はかなり詳しく説明していますが、実際は答えの概形さえわかればOKです。
慣れてくれば2、3点適当に切って考ええば答えがわかります。
そもそも5択で選ぶ問題ですから特徴があるところを切って調べれば答えは早く見つかります。
▼曲げモーメント図の解説はこちら
▼曲げモーメント図の問題はこちら

切ってその都度計算していけば確実に答えを導き出せるんだ。
【土木・過去問】国家一般職:No.23「影響線・最大曲げモーメント」
No.23は影響線を使う問題ですね。
使い方には慣れていないといけません。

今回は問題の指示に従って【(1)影響線を使って解く解法】と【(2)強引に切って計算して求める解法】の2つを紹介していきたいと思います。
(1)影響線を使う解法
- 影響線の使い方は決まっています。
- 問題を解きながら覚えてしまいましょう!
影響線をつかいこなせるのであれば、こちらの解法の方がらくです。
まずは最大せん断力を求める!

絶対値で考えるので、反対の符号を掛けるときだけマイナスをつけてください。
要は大きさだけわかればいいわけです。


これで最大せん断力はわかりましたね。Qmax=11.4[kN]です。
同様に最大曲げモーメントを求める!
次は最大曲げモーメントを同じように求めていきます。
今回は2パターンしかありませんね。
最大曲げモーメントの答えMmax=258[kN・m]ですね。
ポイントは、パターンを分けて考えることと、三角形の比で影響線の値を求めることですね。
では次に強引に切って最大値を探す方法を紹介します。
(2)切って最大値を探す解法
問題ももう一度のせておきます。
公務員の試験では、問題に従わずに自力で答えを探しだす力も大事なんですね。

5択の試験なので、どんなやり方で解いたって答えさえ見つけることができればOKです。
解法手順はこんな感じ!


①から反力を求めていきます。
今回はA点の反力がわかればいいのでC点に自分がいると思って曲げモーメントのつりあい式を立てればOKですね。
計算して出た値の中から最大のものを選べばOKです。
影響線を使わなくても、最大せん断力と最大曲げモーメントを探し出すことができちゃいましたね!
ちゃんと理解していれば、このように強引に答えを探すこともできます。
【土木・過去問】国家一般職:No.24「曲げ応力度」
No.24は曲げ応力度と断面係数の分野の問題ですね。
公式を覚えてさえいれば解けるのでなんとしても取りたい1問ですね。

曲げ応力度の公式は覚えている人が多いかもしれませんが、使い方をきちんと覚えなければ意味がありません。
今回の問題で使い方をマスターしてしまいましょう!
曲げ応力度の公式
まずは公式から再確認しておきますね!
引張応力度が最大になるのは…
まず引張応力度が最大となる点を求めます。
まぁこれは知らなくてもなんとなくわかりますよね。そう、ど真ん中C点です。
曲げ応力度の公式より
断面2次モーメントIと中立軸からの距離yはどの点でも等しいので、曲げモーメントが最大となるC点で引張応力度が最大となります。
支点反力を求める!
この曲げモーメントMの大きさを求めるために、支点反力を求めていきます。
梁の真ん中に力が加わっているので支点の反力はa点、e点ともに30[kN]となりますね。
もちろん、a点、c点でのモーメントつり合いを考えても反力は求まります。
曲げモーメントの大きさを求める
反力が求まったのでc点における曲げモーメントの大きさを求めていきます!
c点で切ってモーメントのつり合いを考えればOKです。
このように切って考えましょう。
c点で切ってモーメントつり合い
あとはc点での曲げモーメント(最大)の大きさを求めましょう。最大曲げモーメントが求められたので、Iとyを求めていきます。
単位をなおしたのは、5択の解答の単位が[N/mm2]だったからです。
断面2次モーメントの公式
公式はこれです。
ここでも単位をなおしているのは、解答の単位とあわせるためです。
曲げ応力度の公式に代入だ!
あとは曲げ応力度の公式に代入すれば終わりですね。今回は公式をわかりやすくするためにすべて計算してから代入しましたが、計算する前の形のまま代入したほうが計算はラクです。
アドバイス
”曲げ応力度の公式を使う”という事に気づけば簡単な問題となりますが、それに気づかないと難しい問題となってしまいます。
計算自体も単位がバラバラでややこしいですが気を付けて計算していきましょう。
【土木・過去問】国家一般職:No.25「オリフィス」
No.25は水理学からの問題でオリフィスの問題です。
オリフィスの問題は全体的に難易度がやや高めです。

小オリフィスなので流速はトリチェリーの定理で簡単に求まるので㋐は簡単に求めたいところです。
まずは排出量Qを求める!
とりあえず最初から説明していきますね!
完全流体なのでベルヌーイの式の右辺の一番右の項、損失水頭はゼロとなります。
もちろん、水面では流速と圧力はゼロ、流出口では圧力がゼロとなります。この知識は必要なので絶対に覚えていてくださいね。
グラフの形を求めるために、経過時間tの式を求める。
次はグラフの形を求めていきます。
⇒そのために経過時間tの式を求めていきます。
- 単位に注目すると理解しやすいと思います。
- 単位を考えたうえで文字の意味を考えてみましょう!
まずは(排出量を流量として)補足説明からいきます。
この問題では単位がありませんが、適当において考えたほうがイメージしやすいかもしれません。
変化量dQ=面積×dH
補足説明を踏まえたうえで式をたてていきます。
dh/dtというのは傾きとなります。
文字が違うとわかりにくいですがx-yグラフでいうdy/dxが傾きということです。
ちょっと難しかったですかね?
アドバイス
そもそもオリフィスの問題は難しい問題が多いです。
ですが、この問題の㋐のように基礎的な出題もありますので、そこはできるようにしたいです。
㋐を理解しているだけで選択肢は1か2に絞れます。
そしてdQの2つの式は公式として覚えてしまっていいレベルです。
【土木・過去問】国家一般職:No.26「流れの状態」

No.26は流れの状態の問題です。
頻出問題なので確実に正解したい1問ですね。

アドバイス
過去に何度も出題されている問題で、特徴を覚えていれば見た瞬間解けますね。
この問題は確実にとらなければいけません。
初めて解いてみてできなかった人は次見たらできるように勉強しておきましょう!
【土木・過去問】国家一般職:No.27「跳水現象」


No.27は跳水現象の問題です。
㋐、㋑、㋒のすべてが跳水問題の基礎知識なので確実にとりたいですね。
跳水は射流から常流に変わる時に起こる
では答えをのせていきます!
エネルギーは基本減少する
㋒に関しては少し迷った人もいると思いますが、’’跳水区間でなにか損失があるはずだ’’と考えることができれば答えはすぐにわかりますね。
基本的な考えですが、エネルギーは流れの方向で減少するのが一般的です。
摩擦による損失から断面に関する損失など、何かしら損失があるのでエネルギーが増えるということはほぼないです。


アドバイス
跳水現象は頻出項目のひとつです。
この問題も基礎知識だけで解けてしまう問題なのでできた人もできなかった人も、今一度基礎知識を勉強しておきましょう。
この問題の答えを基礎知識として覚えればOKです。
【土木・過去問】国家一般職:No.28「クイックサンド」
No.28はクイックサンドの問題です。
少し難しいですが、過去に同じような問題を解いていれば解けると思います。
- 「限界動水勾配と動水勾配の公式」を覚えていることがポイントのひとつ目です。
- その公式の使い方をきちんと理解しているかがポイントのふたつ目となります。
⇒限界動水勾配の公式の分子は’’土の水中単位体積重量’’です。
⇒そして動水勾配の公式の分子も’’掘削面から地下水面までの距離’’なので注意が必要です。
ミスが多いところなので気をつけていきましょう!
クイックサンドの公式
まずは公式から紹介します。公式の使い方を覚えていれば解ける1問です。
※動水勾配というのは距離と損失水頭(分子)の比のことです。
動水勾配iを求める
解法を紹介していきますね!
まずは動水勾配から求めます。
※動水勾配の公式は分子の値に注意しましょう。
次に限界動水勾配を求めます。
公式に代入する値に注意が必要です。
このように距離を整理しておきます。
限界動水勾配を求める
あとは公式に代入していけばOKです!


計算自体は簡単ですが、公式の使い方は少し難しいかもしれません。
公式の使い方が練習しておくようにしましょう。
※動水勾配の分子は『損失水頭』です!水面差のことですね!
アドバイス
クイックサンドの問題は公式を覚えているか、また、その使い方を覚えているかという事が問われます。
同じような問題が何度も出題されているので、この問題のようなパターンで出題されたら解けるように準備しておきましょう!
【土木・過去問】国家一般職:No.29「室内せん断試験」
No.29は室内せん断試験の問題です。
理解するのが難しい分野ですが、最近出題が多いです。
室内せん断試験のポイント
土の状態を考えてみましょう。
構造物の急速な荷重載荷直後は「圧密が終わってない」ので非圧密、
「排水も終わってない」ので非排水となります。
逆に長時間にわたる安定性は「圧密も排水も終わっている」ので非圧密非排水条件となります。
冷静にどんな状態なのかをイメージすることが大切かなと思います。

㋐~㋒に関しては土の状態を考えて試験条件を選びましょう。
㋓に関しては知識問題です。答えをそのまま覚えてしまいましょう!
アドバイス
- ㋐は構造物の急速な荷重載荷直後なので圧密も排水も終わってない⇨非圧密非排水条件
- ㋑は圧密後⇨圧密は終わってる、急速な荷重載荷直後⇨排水は終わってないので圧密非排水条件
- ㋒は圧密終わってから長時間⇨圧密排水条件となります。
- ㋓の一軸圧縮試験に関してです。三軸圧縮試験を非圧密非排水条件で行い、拘束圧がない場合の試験のことをいいます。まぁ答えを覚えておくのが早いです。
【土木・過去問】国家一般職:No.30「時間係数・圧密度」
No.30は頻出の時間係数からの出題です。
時間係数の問題の中でも少し難しいですが、あらかじめ勉強しておいて確実に点につなげていきたいところです。
時間係数・圧密度のポイント
この問題を解くポイントは3つです。
- 排水距離が片面か両面かきちんと判断できること
- ”最終沈下量=圧密度100%”ということ
- 単位に気を付けて計算すること
とくに排水距離を片面か両面かを判断できないと答えが違う値になってしまいます。
条件をきちんと読み取ろう!
これらに気を付けて実際に問題を解いていきたいと思います。この最大排水距離を間違えてしまうと、計算がすべてくるってしまうのできちんと分けられるようにしましょう。
公式を使って時間係数を求めていく!


最終沈下量が50[cm]ということは圧密が終わった(100%の)ときに50[cm]沈下しているということです。
50%しか進んでいないということは単純にその半分で25[cm]ということです。
一応、圧密度の公式を説明すると、「圧密度=時間tの沈下量÷最終沈下量×100 [%]」です。
アドバイス
時間係数と圧密度の問題の中でも難しい方の問題です。
この問題を理解して解くことができれば、この系統の問題はすべて解けると思います。
今回の問題でしっかりと復習をして次同じような問題が出た時に確実にとれるようにしておきましょう!
以上で国家一般職・土木編の過去問解説は終わりです!
土木・地方上級編のレベルが同じくらいなので参考になると思います!

この過去問がある程度解けた皆さんは公務員試験も余裕の合格だと思います!
わからなかった部分は↓以下のページで復習しておきましょう!
【他の受験生は↓の記事を見て効率よく対策しています!】
クイックサンドの動水勾配がわかりません。
D/11+(2+11-D)だと思ったのですが。。
分母は水頭差によってよって生じる水の長さ=透水距離ですよね?
この問題では水の流れと書いてある長さが透水距離の値ということですよね?
ご回答いただけると幸いです。
大変申し訳ございません。
h:水頭差
L:透水距離とすると
動水勾配 i=h/L ですから、今回の問題ですとおっしゃる通り
i=D/(11+13-D)でオッケーです。
修正しておきます。
ご指摘ありがとうございましたm(_ _)m
国家一般職 No.23 構造力学 影響線 最大曲げモーメント
最大せん断力を求める際のパターン②について
-2[kN]×0.3+20[kN]×0.4 の0.4は0.6ではないでしょうか?
答えはあっていますと思います.
図形の貼り付けをされているので訂正ができるかわかりませんが
ご検討の程よろしくお願い申し上げます.
コメントありがとうございます。
間違った情報を載せてしまって誠に申し訳ありません。
修正しておきました。
今後も当ブログをよろしくお願いいたします!