公務員試験の時事
出題傾向・頻出テーマ!!
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公務員のライトは、過去問分析にこだわっており、経済事情についても過去問12年分を徹底分析しております。
そこで、この記事では、特に専門試験で出題される「経済事情」の頻出テーマを紹介していきます。
一緒に【頻出テーマや問われやすいポイント】を確認していきましょう!
今回は『⑨国際経済』です。
目次
【⑨国際経済】時事の出題分析!ライトの時事講座
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【世界全体の成長率・貿易】出題分析・過去問傾向まとめ
経済成長
2016年における世界の実質GDP 成長率 (前年比) についてみると, 中国が3%台の成長にとどまったものの先進国・地域が比較的順調な成長率を実現したことに牽引され, 全体で3%程度の成長を実現した。 この成長率は2008年以降では最も高い。
- リーマン・ショック以降金融緩和政策を続けてきた各国の中央銀行は,近年の世界経済の動向を踏まえ, 金融政策の正常化を進めている。 米国連邦準備制度理事会(FRB)は2015年にゼロ金利政策を解除し, 2018年3月には5%を超える水準まで政策金利が上昇しているほか, 欧州 中央銀行 (ECB)においても, 2015年以降, 2018年末現在まで国債を含む資産購入を停止して いる。
- 世界的な金融政策の正常化が進む中, 新興国においてはこれに逆行する動きが見られている。 2017年初には, ブラジルやロシアなどで政策金利が2%以下まで低下し, 米国との金利差が拡大した。 また, ブラジルやロシアにおいてはインフレ圧力が高まったこともあり, 2017年の物価上昇率は,いずれも 10% を超える水準となった。
表のA~Dは,ある四つの国について,各国の実質GDP 成長率(前年比) を表したもの である。 次のア~エの記述のうち, 妥当なもののみを全て挙げているのはどれか。
ア.Aはアルゼンチンである。 同国は2018年には, 通貨ペソの下落が急速に進行するとともに, 消費者物価上昇率 (前年同月比) も加速していった。 同上昇率は, 2019年2月時点で40% を上 回る水準となっており, また, 2017年初めから2018年末の失業率は7~10% 程度の水準で 推移している。
イ. Bはロシアである。 同国は2000年代後半においては輸出額の過半を鉱物性燃料が占めていたが,それ以降,鉱物性燃料の割合は減少傾向にあり, 2017年及び2018年は輸出額の8割以上 を非原料・非エネルギーが占めている。 好調な輸出を背景として2018年の実質GDP 成長率は, 新興国途上国全体のそれを上回っている。
ウ.Cは米国である。 同国の実質 GDP 成長率 (前期比, 季節調整値) に対して個人消費や民間設備 投資は 2017年以降2019年1-3月期までマイナス傾向の寄与で推移した。 一方, 鉱工業生産 指数(総合) をみると, 2017年はマイナス基調で推移したものの、2018年は大きくプラス基調 で推移した。
エ. Dは英国である。 同国では2016年のEU離脱を巡る国民投票後, 経済の減速懸念から消費者物価上昇率 (前年同月比) は上昇幅が縮小傾向で推移し, その後 2018年に入りマイナスに転じた。 イングランド銀行は, デフレ圧力が高まる中, 2018年8月に政策金利の引下げを実施した。
- ア
- イ
- ア、ウ
- イ、エ
- ウ、エ
- 経済産業省 「通商白書」 (令和元年版) によると. 2018年の世界の実質GDP 成長率は2% 程度であったものの2017年よりも大きく上昇した。 また, 2018年の新興国・途上国の実質GDP 成長率は, アルゼンチンやトルコなどの成長率が通貨の急落により大きく減速したことを反映しさて、先進国の実質 GDP 成長率よりも低いものとなった。
- 経済産業省「通商白書」 (令和元年版)によると, 非金融部門 (政府部門及び民間部門) の債務残高対GDP比は、 先進国では2008年の約80%から2018年には約150%にまで大きく上昇している一方, 新興国では2008年の約260% から 2018年には約 180% となっている。 また. 民間非金融部門の家計部門について債務残高対GDP比をみると、 当該期間においては新興国が 先進国よりも高い状況で推移している。
- 経済産業省「通商白書」 (令和元年版)により, 原油価格 (WTI原油先物価格) が近年大幅に下落した際の要因についてみると、2014年においては世界経済の減速懸念の高まりで需要が伸び悩む中、米国産のシェールオイルの増産を背景として、同年半ば頃から下落基調となった後、同年 後半のOPEC総会での減産見送りによって、更に下落した。 2018年についてみると, イラン産原油の供給不足懸念の後退などにより、 同年後半に大幅な下落がみられた。
経済産業省「通商白書」 (令和2年版) によると、世界のインバウンド観光収入は,近年、急速に拡大し 2018年は約1600億ドルとなり世界のGDPの約0.4%を占めている。また,GDP に占めるインバウンド観光収入の割合は、2018年ではギリシャやスペインでは1%を上回っているものの我が国よりも低い。
図のA~Eの円の中心は, インドネシア,韓国,フィリピン, シンガポール, タイ各国 の「実質 GDP 成長率 (%)」 (2019年) 「世界の名目GDPに占める各国の名目GDP の比率 (%)」 (2019年) の座標となっており,円の大きさや数値は各国の2018年の一人当たり名目GDP (単 位:1000ドル) を表している。 このとき,A~Eに該当する国名の組合せとして妥当なのはどれか。
A B C D E
- インドネシア 韓国 タイ シンガポール フィリピン
- 韓国 インドネシア タイ シンガポール フィリピン
- 韓国 シンガポール フィリピン タイ インドネシア
- シンガポール 韓国 タイ インドネシア フィリピン
- シンガポール 韓国 フィリピン タイ インドネシア
図のA~Eは,ユーロ圏, 英国, 米国, ロシア, トルコの政策金利 (各月末時点)の推移を示している。 A~Eに該当する国又は地域の組合せとして妥当なのはどれか。
なお,A~Eはユーロ圏における主要リファイナンス・オペ金利, 米国におけるフェデラル・ ファンド金利 (FF 金利) など各国・地域における主要な政策金利を示しており, 2021年7月末時点の政策金利は, Aが19%, Bが6.5%, Cが 0.25%, D が 0.1%, E が 0% である。 ただし, 米国については, FF 金利誘導目標の上限を示している。
A B C D E
- ロシア トルコ ユーロ圏 英国 米国
- ロシア トルコ 英国 ユーロ圏 米国
- ロシア トルコ 米国 ユーロ圏 英国
- トルコ ロシア ユーロ圏 英国 米国
- トルコ ロシア 米国 英国 ユーロ圏
次の図は, 2012年~2019年における世界全体, ユーロ圏, 英国, インドの実質GDP 成長率 (前年比) の推移を示している。
図中のA~Dに当てはまるものの組合せとして妥当なのはどれか。
A B C D
- 世界全体 ユーロ圏 インド 英国
- 英国 世界全体 インド ユーロ圏
- インド 世界全体 ユーロ圏 英国
- インド 世界全体 英国 ユーロ圏
- インド 英国 世界全体 ユーロ圏
表のADは、ある四つの国について、 実質 GDP 成長率 (前年比)及び消費者物価上昇率 (前年比) を表したものである。 次のアーエの記述のうち、 妥当なもののみを挙げているのはどれか。 ただし、表中の数値は、一部推計値となっている。
ア. Aはドイツである。 2020年の実質 GDP 成長率はコロナショックにより大幅なマイナスとなり、同年の失業率は8%程度となった。 一方で、迅速なワクチン普及や好調な乗用車の生産に後押しされ、 2021年の実質GDP 成長率はユーロ園全体の成長率を上回った。
イ. Bはロシアである。 同国は、 世界のエネルギー食料供給で大きなシェアを占めており、原油や小麦は同国の主要な輸出品目となっている。 中東・アフリカ諸国を中心に、途上国においては ロシアへの食料輸入依存度が高くなっている
ウ. Cはインドである。 インド与党は2030年までに経済規模で世界3位となることを目指している。 新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う活動制限によりサプライチェーンが寸断されたこと等の影響もあり、2020年に食料価格が急速に上昇した。
エ. Dはブラジルである。 新型コロナウイルス感染症の感染拡大以降、 同国は政策金利の引下げを続け、2022年5月時点では実質ゼロ金利となっている。 また、 ウクライナ情勢の緊迫化を背景に、資源に乏しく食料等の一次産品輸入国であるブラジルの通貨レアルは、2022年の2月から 4月にかけて、 大幅な通貨安が進行した。
- ア、イ
- ア、エ
- イ、ウ
- イ、エ
- ウ、エ
原油価格
原油価格(WTI 原油先物価格)は,2019 年初頭に OPEC の協調減産が白紙撤回されたことを受けて,年間を通じて下落傾向で推移していたが,新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により原油供給が途絶するおそれがあるとの観測が強まったことから,2020 年前半は上昇傾向で推移した。
- 原油価格 (WTI原油先物価格)についてみると, 2020 年の初めには1バレル当たり50ドル を上回る水準であったが, その後の新型コロナウイルス感染症の感染拡大などを背景に下落していき, 4月には原油の貯蔵施設が満杯になるという懸念などから, 一時, 史上初のマイナスを記録する局面がみられた。
- 世界の国別の原油生産量についてみると, 2018年では首位はサウジアラビアであり, 2位は シェールオイルの増産が続く米国となっている。 また, 米国は 2010 年頃までは,原油の輸入が 輸出を上回る状況が長期にわたり続いていたが, 2010 年代に入り 2019年末現在まで,輸出が輸入を上回って推移している。
貿易
世界全体の貿易量は, 世界経済危機の影響により大幅に落ち込んだが, 2011年5月を底に回復し、2014年2月には世界経済危機の直前の最大値の8割程度の水準となっている。 また, 輪出量(3ヶ月移動平均)についてみると, アメリカ合衆国は伸び悩みが続き, 2014年初めの時点で 2008年10月の水準の6割程度となっている。
- 経済産業省「通商白書」により 2000~2017年の世界の財貿易量の対前年伸び率をみると, 世界の実質GDP 成長率を下回る形で推移する 「スロートレード」の状態が続いている。 2017年の世界の財貿易量の対前年伸び率は,米国におけるエネルギー部門への投資が増加している一方で, アジア地域で貿易制限的な措置を採る国が増加し輸出量, 輸入量ともに減少した結果, 2% を 下回る水準となった。
- 経済産業省「通商白書」によれば、2017年の世界のサービス貿易額(輸出額ベース)は前年より も8%程度減少し, 4兆ドルをやや下回る水準となっており、3年連続で減少した。 2017年の当該サービス貿易額 (前年比) を項目別にみると, 旅行は堅調に伸びている一方で、近年プラス 成長を続けていた輸送が10%以上減少している。
- 経済産業省「通商白書」 (令和元年版)によると, 輸出と輸入を合計した世界の総貿易額は2017 年では約35兆ドルであり,2000年代前半と同程度の水準である。 2017年における世界の貿易相手国についてみると, 輸出相手国としては首位が中国で世界に占めるシェアは約20%であり、2位は米国でシェアは約10%である。 輸入相手国についてみると, 首位の米国のシェアが 30%を超えている。
- 経済産業省「通商白書」 (令和元年版) によると, 2018年の世界の財貿易量 (輸出と輸入の平均値)の対前年伸び率は、2017年のそれを上回った。 また、 幅広い貿易財に対する関税賦課等により、2011年以降 2018年時点まで、毎年、世界の貿易量の伸び率が実質 GDP 成長率を下回るいわゆる「スロートレード」の状況が継続している。
世界全体の貿易量は, 世界経済危機の影響により大幅に落ち込んだが, 2011年5月を底に回復し、2014年2月には世界経済危機の直前の最大値の8割程度の水準となっている。 また, 輪出量(3ヶ月移動平均)についてみると, アメリカ合衆国は伸び悩みが続き, 2014年初めの時点で 2008年10月の水準の6割程度となっている。
【アメリカの経済・金融】出題分析・過去問傾向まとめ
実質GDP
アメリカ合衆国の実質GDP成長率 (前期比)については、 リーマン・ショック後の2009年第 1四半期以降は住宅市場の持ち直しを背景に個人消費が堅調に推移したこと等によりプラス成長を続けたが、2011年第1四半期には政府支出の減少によりマイナス成長となった。
米国では、2011年後半に一時景気の回復テンポが高まったものの、2012年に入って回復テンポが鈍化した結果、 2012年の1-3月期や4-6月期における実質経済成長率 (前期比、季節調整値)は2011年10-12月期のそれよりも低くなっている。 このように景気回復が緩やかなものと なった背景には、欧州政府債務危機の影響などがあったとされる。
米国経済は2011年に入ると、 原油価格高騰に伴うガソリン価格上昇、 東日本大震災によるサプライチェーンの混乱などにより回復の足取りは一時鈍化したものの、2011年の実質GDP成長率は、対前年でプラスを維持した。
2011年の米国の実質政府支出は、国防費の支出増及び州地方政府の歳出増により、 前年比 2.1%増となった。 米国の実質GDP 成長率に対する実質政府支出 (前年比) の寄与度をみると、 2011年は前年のマイナスの寄与からプラスの寄与に転じた。
アメリカ合衆国では、実質経済成長率(前期比年率、 季節調整値) をみると、 2010年第1四半期以降は3.0%を下回る四半期がなく緩やかな増加傾向にある。 失業率をみると、 2009年10月 の 10.0% から 2013年4月時点で4.5%まで急激に改善し、 また、 雇用者数についても、 2008年 から2009年までの約900万人の雇用者数の減少に対して、 2010年から2013年4月までに1、000 万人を上回る雇用者数の増加となっている。
2012年の米国の実質 GDP 成長率 (前年比) をみると、 2% を上回り、2011年のマイナス成長 からプラス成長へ転じた。需要項目別寄与度をみると、 GDP の約5割を占める企業の設備投資がプラスに寄与したのに加え、 個人消費が7年ぶりにプラスに寄与した。
実質GDPについて、 米国が景気後退期入りした2007年第4四半期を100とした指数でみると、米国は主要先進国の中ではドイツと並んで景気回復が遅れ、景気後退前の水準まで回復したのは、2013年第2四半期である。
米国の実質経済成長率(前期比年率、季節調整値) をみると、 2012年、 2013 年のいずれの四半期も2%未満の水準で横ばいで推移している。 失業率をみると、 2012年、 2013年は4%台であり、雇用者報酬の伸び率 (前年比)は2013年は1%台で推移している。
2014年のアメリカ合衆国の経済についてみると、雇用環境等の改善が個人消費の増加に結び付く好循環が形成された。 実質経済成長率(前期比)は2014年1-3月期は、 寒波や大雪の影響等もあって減速したものの、 4-6月期、 7-9月期、 10-12月期はいずれもプラスとなった。
世界経済危機による景気後退を経た後、 景気回復を続けた米国についてみると、 2016年の実質GDP 成長率(前年比) は2015年のそれよりも鈍化した。 2016年の実質GDP 成長率について需要項目別にみると、 GDP の約7割を占める個人消費が2015年に引き続き堅調に伸びた。
米国の経済についてみると、 2016年の実質GDP 成長率 (前年比) は、プラス 0.5% にとどまったが、これは主に個人消費がマイナスに寄与したことによる。 また、 失業率 (季節調整値) についてみると、 2014年初めから2015年半ばまで低下傾向で推移していたが、 2015年後半から上昇に転じ、2017年半ばには6%を超えた。
米国経済は世界金融危機以降、 2018 年末現在まで約9年の長期にわたり景気拡大を続けている。 2017年の実質GDP 成長率は、 貿易赤字の拡大と個人消費の縮小の影響から前年の成長率 を若干下回ったが、 安定して推移している。 労働市場に注目すると、雇用者数の減少から失業率が上昇しており、2017年については前年よりも上昇して、 約8%となっている。
米国経済は、2009年半ば以降、 長期にわたり景気回復が続いた。 2017年の実質 GDP 成長率 (前年比)についてみると、 民間設備投資や堅調な個人消費に支えられ2%を超える水準となっており、2016年の当該成長率を上回った。
全米経済研究所 (NBER) によると、 米国は2013年半ばから2020年初頭まで景気拡大が続き、これは景気拡大期としては史上3番目の長さであった。 また、 米国の実質GDP 成長率 (前年比)についてみると、 2018年、 2019年は2年連続で 4% を超えた。
2010 年代半ば以降についてみると、 アメリカ合衆国の実質GDP 成長率は前年比でプラスを継続していたが、 2020年1-3月期は、 新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響を受け実質 GDP 成長率 (季節調整済前期比) はマイナスとなった。 このマイナス成長の要因としては、個人消費の急速な減少が挙げられる。
アメリカ合衆国経済は、世界金融危機直後の2008年9月を景気の谷として長期間に及ぶ景気回復を続けてきたが、 2018年末に景気の山を迎え、 その後、 2020年に入り新型コロナウイ ルス感染症の感染拡大に伴い急速に落ち込んだ。 四半期ベースの実質GDP 成長率(季節調整済前期比年率)は2020年1-3月期以降、4四半期連続でマイナスとなったが、 2021年1-3月 期は 20% を超える大幅なプラスとなった。
米国の四半期ベースの実質GDP 成長率 (季節調整値、 前期比) は、 新型コロナウイルス感染症 の感染拡大による経済の混乱で、 2020年1-3月期はマイナスとなったが、同年4-6月期からプラスに転じた。この結果、 2020年の実質GDP 成長率は前年比で1.5%程度のプラスとなった。
米国の実質GDP 成長率についてみると、 2020年は新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響によりマイナス成長となったものの、 2021年は前年の落ち込みの反動のほか、 個人消費や設備投資が成長したことなどにより、 5% を超えるプラス成長となった。
消費者物価指数
米国の消費者物価指数である CPI (前年同月比) は2020年中は一貫してマイナス傾向で推移していたものの、 2021 年下半期に入り大幅な上昇となった。 特に、2021年下半期は食品やエネルギーを除いた指数であるコア CPI (前年同月比) は CPIの上昇率を上回って推移した。
貿易
2011年の米国の財・サービス貿易収支(国際収支ベース) は、ドル安の影響を受けて輸出が過去最高額を記録した一方、 輸入は大幅な減少を記録したことから、 前年の貿易赤字から転じて貿易黒字となった。
世界全体の貿易量は、 世界経済危機の影響により大幅に落ち込んだが、 2011年5月を底に回復し、2014年2月には世界経済危機の直前の最大値の8割程度の水準となっている。 また、 輪出量(3ヶ月移動平均)についてみると、 アメリカ合衆国は伸び悩みが続き、 2014年初めの時点 2008年10月の水準の6割程度となっている。
米国の経常収支 (年間)の赤字額は、1990年代初頭から2000年代半ば頃までは、ほぼ横ばいで推移していた。 しかし、 2000 年代後半の世界経済危機以降、 貿易収支の赤字が大幅に拡大してきたため、2016年の経常収支 (年間)の赤字額は2006年のそれの2倍近くに達した。
2017年における米国の近隣諸国との国別貿易額をみると、 メキシコとの間では貿易収支が黒字となっている一方、 カナダとの間では、大幅な貿易収支の赤字を記録しており、その赤字額は中国との間の赤字額とほぼ同額である。
金融資本
米国の金融資本市場の状況をみると、 NYダウ平均株価は2013年3月に史上最高値を更新した後、 緩やかな下降に転じ、同年9月以降は2012年初めの水準に落ち着いている。 また、 社債利回りと国債利回りのスプレッドは、 世界金融危機前の2004~2007年と比べて、2008年、2009 年には縮小傾向をみせたが、その後、 2013 年末まで拡大傾向で推移している。
世界経済危機に際して、 米連邦準備制度理事会(FRB) は、2007年初めから、米国債の買取りによって資金の供給を行う、 量的金融緩和策を継続的に実施したが、2013年5月に当該政策を終了した。 この大規模な量的緩和策によって約8000億ドル弱が供給されたが、これは金融市場の動揺を抑える一定の効果があったと考えられる。
米国は2012年に初めて1兆ドルを超える巨額の財政赤字と過去最高の債務残高を記録し、初の債務不履行 (デフォルト) に陥った。 そのため、 政府機能の一部停止が懸念されたことから、 2014年度予算については民主党と共和党の合意が速やかになされ、 2013年10月に成立した。
リーマンショックに端を発した世界金融危機に対応するため、 連邦準備制度理事会(FRB) は、 国債を過去に例をみない規模で買い入れる量的緩和策を2010年11月から2011年6月までと 2012年9月から2014年10月までの2回にわたって実施した。 しかし、当該政策においては懸案とされていた不動産担保証券 (MBS) の買入れは見送られた。
米国の非農業部門就業者数 (季節調整値) の伸び (前月差) をみると、 2015年平均は10万人を下回っていたが、 2016年平均は約11万人となった。 米国連邦準備制度理事会(FRB) は雇用環境の改善がみられたことから、 2017年3月に7年間にわたり継続したゼロ金利政策を解除した。
リーマン・ショック以降金融緩和政策を続けてきた各国の中央銀行は、近年の世界経済の動向を踏まえ、 金融政策の正常化を進めている。 米国連邦準備制度理事会(FRB)は2015年にゼロ金利政策を解除し、 2018年3月には5%を超える水準まで政策金利が上昇しているほか、 欧州中央銀行 (ECB)においても、 2015年以降、 2018年末現在まで国債を含む資産購入を停止して いる。
2018年前半の米国の長期金利の動向についてみると、 原油高によるインフレ期待などを背景に、10年債の金利が3%台に上昇した時期があった。一方、2年債と5年債の利回りは、 2018年末に逆転する局面があった。
代表的な株価指数である米国のダウ平均株価についてみると、 2017年初頭から2019 年末まで、世界経済の減速を受けて緩やかな下落傾向で推移したが、 新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により下落傾向が顕著となり、 2020年9月初めの水準は2019年末の水準よりも3 割程度低下している。
株価についてみると、 新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、 代表的な株価指数である米国のダウ平均株価が急落し、 2020年6月半ばには、同年初頭の5割程度となった。 一方、 金価格についてみると、 2019年以降、 若干の下落傾向で推移していたが、 2020年に入ると、 経済の先行き不安に伴う現金志向の高まりにより6月現在まで大きく下落して推移した。
アメリカ合衆国の連邦準備制度理事会(FRB) は、 2015年初頭から2019 年末までフェデラル・ファンド金利 (FF 金利) を実質ゼロ金利に据え置いていたが、 2020年初頭からの急速な経済活動の縮小に対応するため、同年3月に緊急利下げを実施し、 FF 金利の誘導目標をマイナス 1%程度に引き下げた。
- 代表的な物価指数である PCE (個人消費支出) 総合価格指数の前年同月比をみると、 2018年末から2019 年末では、 好景気を反映して米国連邦準備制度理事会(FRB)の目標である 3% を上回って推移したが、 2020年は、 原油価格の急落もあり 0% 近傍で推移し 2021年に入ってからも4月時点まで0~1%で推移した。
- FRB は、世界金融危機が終息した2010年代初頭から長期にわたり FF 金利を実質ゼロ金利の水準に据え置いていたが、 2018年半ばに好景気を背景に利上げを実施して以降、 2019 年末までに数度の利上げを実施した。 その後、 2020年3月からは経済状況の急速な悪化に対応するため FF 金利の利下げを段階的に実施し、 2021年半ばには3年ぶりに実質ゼロ金利となった。
米国の経済対策についてみると、 新型コロナウイルス感染症の感染拡大が深刻になる中で、 2020年3月に共和党トランプ大統領(当時)は、供給型ショックではなく需要型ショックである 同感染症の感染拡大に伴う対策として、 7870億ドル規模の米国復興・再投資法 (ARRA) を成立させた。
2022年7月、FOMC (連邦公開市場委員会)は、リーマン・ショック期以降10年以上継続してきたゼロ金利政策を改め、 政策金利であるFF 金利の誘導目標を0.25~0.50%へ引き上げることとした。また、同年9月にはFF 金利の誘導目標を1.75~2.00%へ引き上げることと した。
雇用
アメリカ合衆国では、実質経済成長率(前期比年率、 季節調整値) をみると、 2010年第1四半期以降は3.0%を下回る四半期がなく緩やかな増加傾向にある。 失業率をみると、 2009年10月 の 10.0% から 2013年4月時点で4.5%まで急激に改善し、 また、 雇用者数についても、 2008年 から2009年までの約900万人の雇用者数の減少に対して、 2010年から2013年4月までに1、000 万人を上回る雇用者数の増加となっている。
アメリカ合衆国の雇用者報酬の伸び率 (前年比) をみると、 2012年1月から2014年4月まで上昇傾向にあり、2012年はほとんどの月で2%未満であったが、 2014年4月には6%を超えている。また、経済が回復する中、 貧困レベル以下の世帯割合は2012年には3%程度であり、 2008年のリーマンショック直前の水準を大きく下回っている。
米国の実質経済成長率(前期比年率、季節調整値) をみると、 2012年、 2013 年のいずれの四半期も2%未満の水準で横ばいで推移している。 失業率をみると、 2012年、 2013年は4%台であり、雇用者報酬の伸び率(前年比)は2013年は1%台で推移している。
米国の非農業部門就業者数 (季節調整値) の伸び (前月差) をみると、 2015年平均は10万人を下回っていたが、 2016年平均は約11万人となった。 米国連邦準備制度理事会(FRB) は雇用環境の改善がみられたことから、2017年3月に7年間にわたり継続したゼロ金利政策を解除した。
米国の経済についてみると、 2016年の実質GDP 成長率 (前年比) は、プラス 0.5% にとどまったが、これは主に個人消費がマイナスに寄与したことによる。 また、 失業率 (季節調整値) についてみると、 2014年初めから2015年半ばまで低下傾向で推移していたが、 2015年後半から上昇に転じ、2017年半ばには6%を超えた。
米国経済は世界金融危機以降、 2018 年末現在まで約9年の長期にわたり景気拡大を続けている。 2017年の実質GDP 成長率は、 貿易赤字の拡大と個人消費の縮小の影響から前年の成長率 を若干下回ったが、 安定して推移している。 労働市場に注目すると、雇用者数の減少から失業率 が上昇しており、2017年については前年よりも上昇して、 約8%となっている。
雇用情勢についてみると、 非農業部門雇用者数の前月差は2017年においては月平均20万人程度の増加数で堅調に推移していたが、 2018年の前半では増加数は月平均で10万人を下回っ た。 失業率については 2017年初めから上昇傾向であり、2018年半ばでは6%を上回る水準と なっている。
アメリカ合衆国の失業率(失業者/労働力人口)は、2000年代に入り低下傾向で推移していたが、 世界金融危機時に急速に上昇し、 その高止まりの状況が2015年頃まで続いた。 その後、緩やかな低下傾向となっていたが、 2020年に入ると新型コロナウイルス感染症の感染拡大により急速に上昇し、 4月には世界恐慌時の水準である 25% を超える状況となった。
失業率(失業者/ 労働力人口) は、 世界金融危機直後の25%程度をピークに低下傾向にあった が2020年に入り新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い 4月に 15%程度に急速に上昇し、その後も年内は上昇傾向で推移した。 2021年に入り、 失業率は低下していったが、 2021 年5月時点においても 10% を超える水準にある。
米国の雇用者数についてみると、 新型コロナウイルス感染症の感染拡大下では、経済活動が制限され始めた2020年3月から非農業部門雇用者数は5か月連続で減少し、 雇用者数のピーク時と比較すると4000万人以上の雇用者数の減少となった。 しかし、この雇用者数の減少幅は 2010 年前後の世界金融危機時の当該減少幅よりも小さいものであった。
需要項目別実質GDP
2012年の米国の実質 GDP 成長率 (前年比) をみると、 2% を上回り、2011年のマイナス成長 からプラス成長へ転じた。需要項目別寄与度をみると、 GDP の約5割を占める企業の設備投資がプラスに寄与したのに加え、 個人消費が7年ぶりにプラスに寄与した。
2010年~2013年の実質GDP を産業別にみると、 シェールガス・オイルによる効果等を背景 として、鉱業の伸びが非常に大きくなっている。 また、 石油・ガス掘削業の雇用者数についても、 同期間において大きな増加が見られた。
実質GDP の需要項目について、 米国が景気後退期入りした2007年第4四半期を100とした指数でみると、 住宅投資が2010年第3四半期に景気後退前の水準を回復しその後も力強い上昇傾向を続けているが、 個人消費や輸出は2013年第4四半期現在でも100に達していない。
【中国の経済・金融】出題分析・過去問傾向まとめ
実質GDP成長率
中国の実質 GDP 成長率 (前年比) を見ると、 2010年は2009年に引き続き最終消費と純輸出が マイナス寄与となったものの、政府の景気刺激策を受けて総資本形成のプラス寄与が大きく、 3 年連続で10%を超える成長を達成した。
2010 年の中国の名目GDPは約5兆9000億ドルとなり、 我が国を上回り米国に次ぐ世界第2 位となった。貿易面においては、2010年には、輸出額では世界第1位、 輸入額では世界第2位 となっている。
中国では、 尖閣諸島をめぐる反日デモの影響で、自動車の販売が落ち込んだものの、依然とし 2012年も前年比10%を超える高い実質経済成長率を維持している。これに伴い、 消費者物価の対前年上昇率(総合) も2012年は、政府目標である 7.5%を上回る水準となっているため、 政府は引き続き金融引締め政策を進め、 2012年中に預金準備率を3度引き上げた。
中国の実質GDP成長率は、近年、 年率 10% の割合で成長を続けており、 GDP (ドルベース) でみると2010年には、 アメリカ合衆国、 日本、 ドイツに次いで、 世界第4位の経済規模に成長した。しかし、欧州債務危機の影響を受け、2011年の実質GDP成長率は、前年比3%程度 に鈍化した。
中国は 2012 年、 2013年と連続して実質経済成長率が年率10%を超え、2012年には名目GDPで日本を抜き、世界第2位の経済大国となった。 経済成長に伴い、 消費者物価上昇率が2011年 に年率5%まで上昇したことから、 金融引締め政策が採られた結果、 2013 年には上昇率はマイナスに転じた。
- 1990年代以降、 冷戦の終結や改革開放の進展に伴い中国経済は拡大したが、 1995年の世界貿易機関(WTO) 加盟によって成長のスピードは加速した。 その結果、 名目GDPは2003年には我が国を抜いて世界第2位となり、2015年には、その規模は15兆ドルに達した。
- 2000年以降の需要項目別 GDP 構成比の推移をみると、 家計消費が増加傾向にあるのに対し、 かつては中国経済をけん引していた総固定資本形成は減少傾向にある。 GDP 全体に占める総固定資本形成の割合は2014年では GDP 全体の2割弱であり、 アメリカ合衆国などの主要国の 1970年代の高度成長期と比較すると、 ほぼ同じ割合となっている。
中国は、 2000 年以降、 GDP の規模で我が国やドイツ、 英国などを追い抜き、 2014年ではアメリカ合衆国に次ぐ世界第2位である。 また、 世界のGDPに占める中国のシェアは2000年以降、急速に拡大した結果、 2014年では1割を超えている。
2016年における世界の実質GDP 成長率 (前年比) についてみると、 中国が3%台の成長にとどまったものの先進国・地域が比較的順調な成長率を実現したことに牽引され、 全体で3%程 度の成長を実現した。 この成長率は2008年以降では最も高い。
中国の実質 GDP 成長率 (前年同期比) を需要項目別にみると、 2010年以降2017年までは、 純輸出の寄与が総資本形成の寄与を大きく上回っていた。 しかし、2018年は、米中貿易摩擦の影響により対米輸出が前年同月比マイナスで推移した結果、 2018年の実質GDP 成長率に対する純輸出の寄与はマイナスとなった。
中国の実質 GDP 成長率(前年比) は、世界経済危機後、2009 年から2012年まで減速傾向で あったが、その後、 2013年から2018年まで6年連続で、当該成長率が加速している。 2018年 の当該成長率は、政府目標である 10%を下回ったものの、 8% を上回っている。
中国の実質 GDP 成長率についてみると、 2019年については前年比で政府目標の 9% を下回ったものの 6% 程度を達成したが、 2020年に入ると新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により 1-3月期は前年同期比でプラス 0.5%程度となり、 急速に減速した。 また、 貿易面でも 2019年は輸出、輸入共に前年比で10%を上回るプラスであったものの、 2020年に入り、輸出、輸入共に3月及び4月は前年同月比で大幅なマイナスとなった。
中国経済は、2019年以降、 減速が続き、 2020年に入ると新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により大きく落ち込んだ。 実質GDP 成長率は、 2019年は前年比でプラス4%を下回り政府目標を達成できず、また、 2020年1-3月期は前年同期比でプラス1%台に減速した。
実質GDP 成長率の前年同期比についてみると、 2020年1-3月期は新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受けて5%を超えるマイナスとなった後、 4-6月期はプラス成長に回復し、 7-9月期 10-12月期もプラスとなった。 この結果、 2020年の年間の実質GDP 成長率はプラスとなり、また、 需要項目別にみると、 2020年の成長を主導したのは総資本形成である。
中国の 2020年1-3月期の実質GDP 成長率は、 新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響で、前年同期比で大幅なマイナスを記録したが、 4-6月期からは3四半期連続でプラス成長となその結果、2020年の実質GDP 成長率は、 前年比でプラス成長を維持した。
- 2021年の中国の実質 GDP 成長率についてみると、 上半期には新型コロナウイルス感染症の感染再拡大や電力不足等の影響により伸び悩んだが、 下半期には経済活動が活発化したことにより、通年では政府目標の10%を超えるプラス成長となった。
- 2021年の中国の実質GDP成長率を産業別にみると、 不動産投資を後押しするような政府の施策の影響もあり、不動産業や建設業が運輸・郵便業の伸び率を上回って推移した一方で、 世界 的な半導体不足等の影響により、 情報通信・情報技術サービスの伸び率はマイナスとなった。
物価
消費者物価上昇率(前年同月比)についてみると、「食品」が2010年に入り2%を下回るようになったため、「総合」では 2010 年後半に政府目標である 3% を下回るようになった。また、中国の2010年の自動車販売台数は、 前年比で約30%減少して1000万台となった。
中国では、 尖閣諸島をめぐる反日デモの影響で、自動車の販売が落ち込んだものの、依然として 2012年も前年比10%を超える高い実質経済成長率を維持している。これに伴い、 消費者物価 の対前年上昇率(総合) も2012年は、政府目標である 7.5%を上回る水準となっているため、 政府は引き続き金融引締め政策を進め、 2012年中に預金準備率を3度引き上げた。
中国は 2012 年、 2013年と連続して実質経済成長率が年率10%を超え、2012年には名目GDP で日本を抜き、世界第2位の経済大国となった。 経済成長に伴い、 消費者物価上昇率が2011年 に年率5%まで上昇したことから、 金融引締め政策が採られた結果、 2013 年には上昇率はマイ ナスに転じた。
主要70 都市の新築住宅販売価格(月次) をみると、 2009 年初めから2013年末まで低下傾向にあったが、2014年初めに上昇に転じ、 2015年半ばまで上昇傾向で推移した。 また、 2014 年初め以降、 不動産に資金が流入した一方で株式市場からは資金が流出したため、 上海証券取引所における株価指数である上海総合指数は、 2014年半ばからの約1年間に3割以上、 下落した。
貿易
貿易動向についてみると、 貿易黒字は、 2000 年以降、減少傾向にある。また、2010年における相手国・地域別の貿易収支は、EU、 日本に対しては大幅な貿易黒字となっているものの、 米国、韓国、台湾に対しては大幅な貿易赤字となっている。
2010 年の中国の名目GDPは約5兆9000億ドルとなり、我が国を上回り米国に次ぐ世界第2 位となった。 貿易面においては、2010年には、 輸出額では世界第1位、 輸入額では世界第2位 となっている。
中国は、 2000年から2013年までについてみると、 顕著な輸出の伸びを反映して、 2000 年代中頃から大幅な貿易黒字を計上するようになった。 また、 世界における輸出先シェアについてみると世界経済危機直後の2009年には、 欧米向け輸出が金額ベースで大きく減少する中で、中国向けは軽微な減少にとどまったため、 相対的に中国のシェアは大きく上昇した。
中国の貿易の動向についてみると、 2017年の輸出額(ドルベース)は前年比でマイナスであったが、 2018年も米国との間の貿易摩擦等の影響により、 10% を超える大幅なマイナスとなった。また、輸入額(ドルベース)についても、 2017年 2018年共に前年比でマイナスとなった。
中国の実質 GDP 成長率についてみると、 2019年については前年比で政府目標の 9% を下回ったものの 6% 程度を達成したが、 2020年に入ると新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により 1-3月期は前年同期比でプラス 0.5%程度となり、 急速に減速した。 また、 貿易面でも 2019年は輸出、輸入共に前年比で10%を上回るプラスであったものの、 2020年に入り、輸出、輸入共に3月及び4月は前年同月比で大幅なマイナスとなった。
中国の貿易については、 米中貿易摩擦を背景に 2018年末頃から急速に悪化し、 2019年を通じて低調に推移した。 また、 2020年1-2月は、 新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により対世界計で輸出入 (ドルベース) ともに前年同期比でマイナスを記録した。
輸出についてみると、 新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受けて、 2020年初頭に前年同期比で大きくマイナスとなり、その後、 マイナス幅は縮小していったものの年末まで前年同期比 でのマイナスが続いた。 また、 アメリカ合衆国への輸出についてみると、 米中貿易摩擦を背景に、 2018年1-3月期から2021年1-3月期時点まで、 前年同期比でマイナスが続いている。
中国の 2020 年の貿易についてみると、 輸出は前年同期比で年初に大幅なマイナスとなり、その後もマイナス基調で推移した結果、 2020年としては前年比マイナスとなった。 一方、輸入は年後半に前年同期比でプラスに転じてから急速に拡大し、 2020年としては前年比プラスとなった。
金融
中国では、 尖閣諸島をめぐる反日デモの影響で、自動車の販売が落ち込んだものの、依然とし 2012年も前年比10%を超える高い実質経済成長率を維持している。これに伴い、 消費者物価の対前年上昇率(総合) も2012年は、政府目標である 7.5%を上回る水準となっているため、 政府は引き続き金融引締め政策を進め、 2012年中に預金準備率を3度引き上げた。
中国では、金融市場の拡大に関連して、 金融の技術革新による新商品の利用も進んでいる。 最近は、信託商品、 委託商品等の形で、 銀行が預貸比率規制の枠内で家計や企業から集めた資金を資金需要者へ仲介する「シャドーバンキング」 と呼ばれる金融活動が拡大している。2012 年末現 在では、こうした金融活動は、中国独自のものであり、他の国々ではみられない。
債務残高
2008年9月のリーマンショック以降の部門別の債務残高(対GDP比) の推移をみると、 2009年初頭から非金融企業部門のそれが急速に増加したが、 景気対策の終了に伴い、 2010年頃から2015年現在まで減少傾向で推移している。 また、 2013年6月末時点の地方政府の債務残高 (返済債務と偶発債務の合計) は約18兆元であり、 2010 年末時点よりも若干減少している。
中国の非金融企業における債務残高(対GDP比) の推移をみると、 2010 年初め以降 2016年末まで、 減税の実施などの景気拡大政策に支えられ、 低下傾向で推移していた。 一方、 2017年 以降2018年末時点まで、 中国経済の減速に伴い、 上昇傾向で推移している。
中国の非金融企業の債務残高対GDP比を2000年以降についてみると、 ほぼ一貫して上昇していたが、 中国政府が民間債務の削減を重点政策として取組を強化したため、 2012 年以降、 当該比は低下傾向で推移しており、 2018年7-9月期では70%を下回っている。
非金融企業の債務残高対GDP比についてみると、 2000 年代後半には200%を超え日本のバブル期を上回る水準にあったが、その後、 低下傾向で推移し2020年には80%を下回っている。また、政府の債務残高対GDP比は、 2000 年以降、上昇傾向で推移し2020年には100% を超え、アメリカ合衆国や日本よりも高い水準にある。
その他
中国の新車販売台数をみると、近年、急速に伸び、2009年にはアメリカ合衆国を抜いて世界最大となった。また、アメリカ合衆国の新車販売台数をみると、世界経済危機の影響により大きく減少した後、2010年以降は増加を続け、2013年には2007年の水準とほぼ同程度まで回復した。
中国の所得の伸び率(前年比)をみると、都市部(可処分所得)では2011年よりも2013年が低いものとなっている。また、農村部(現金収入)でも2011年よりも2013年が低いが、
2000年代半ば以降の為替レートをみると、対ドルレートでは長期的に元高方向で推移していたが、2015年8月に人民元の為替レートの基準値の算出方法が変更されたことに伴い元が急落した。その後も為替レートは、2015年末現在まで現安傾向で推移した。
GDPに占める民間最終消費の割合についてみると、政府による消費主導型の経済成長への志向を背景に、2000年頃から上昇傾向で推移しており、2019年には60%を超えている。また、当該割合は、2000年以降2019年時点まで、アメリカ合衆国や日本よりも高い水準で推移している。
中国では、世界経済危機以降、粗鋼、石油等の生産能力不足が顕著になったことを受け、2016年には、粗鋼の生産能力の大幅な増大が実施されるとともに、石油については、2016年からの3~5年間で生産能力を10億トン増大させる旨の長期目標が策定された。
労働市場について、ここ数年、労働需給は事務職を中心にひっ迫しているものの、2010年第1四半期の全体の求人倍率は0.8程度である。また、平均賃金の伸び率(前年同期比)は、2009年後半から2010年第3四半期まで、景気減速の影響を受けてマイナスとなった。
中国の中央及び地方の予算についてみると、2009年の決算額、2010年、2011年予算額のいずれにおいても、中央、地方ともに大幅な財政黒字となっている。また、全国人民代表大会は2011年度の予算に関して、2010年度と比較して、住宅保障関係の歳出を増加させる一方、教育、科学技術関係の歳出を10%以上削減することとした。
【ユーロ圏の経済・金融】出題分析・過去問傾向まとめ
実質GDP成長率
- 英国では、金融危機による景気後退を背景に、 2009年の実質GDPは前年比マイナス成長となった。 しかし、2010年は、個人消費や投資といった内需主導の成長を示し、実質 GDP は前年比プラス成長に転じた。
- ユーロ圏の実質 GDP 成長率 (前期比) は、2009年第1四半期から2011年第2四半期にかけてプラス成長を続けた。 国ごとに見ると、 この間、 ドイツが輸出主導で回復しているほか、 ポルトガルやギリシャといった南欧諸国もプラス成長が続いた。
ギリシャでは、2010年に EUからの財政支援を受け、 財政再建を中断して高い経済成長を目指す方針への転換を図った結果、 2011 年及び2012年における実質経済成長率はいずれも前年比 プラス成長を記録している。 また、 個人消費が持ち直していることで、雇用環境も改善し、 一時 25%に達していた失業率は、 2012年後半には10%程度まで改善している。
ユーロ圏の実質GDP 成長率 (前期比、 季節調整値) は、 2011年第4四半期に年率3%を上回るプラス成長を記録したが、 2012年第1四半期には、 増税措置が失効し 「財政の崖」に陥った米国向け輸出の鈍化を背景に年率マイナス1.5%の成長率となった。
英国では、実質経済成長率 (前期比年率、 季節調整値)が2012年7-9月期にロンドン・オリンピックの経済効果から前期比年率約3%増と一時期プラスとなったが、 その後は4四半期連続でマイナス成長となった。 この要因として、 家計の債務残高が対可処分所得比で2000年以降常 に 200 %を超え、かつ、その比率が一貫して上昇していることから、個人消費が大幅に落ち込んでいることが挙げられる。
- ドイツでは、2011年の実質経済成長率 (前年比) は、他のユーロ圏主要国よりも比較的高い伸びを示していたが、 2012年後半に輸出の落ち込みがみられたこともあり、2012年の実質経済成長率 (前年比) は前年よりも大幅に低下して1%を下回った。 失業率をみると、 2012年では、 旧西ドイツ地域と旧東ドイツ地域との間に大きな差がみられるものの、 ドイツ全体としては、 他のユーロ圏主要国であるフランス、 イタリア、 スペインよりも低い。
- イタリアでは、 実質経済成長率(前期比年率、 季節調整値) をみると、 欧州政府債務危機の影響は比較的小さかったが、 緊縮財政の影響から、 2013年第1四半期にマイナス2.1%となり、 7四半期ぶりにマイナス成長となった。 失業率をみると、 2011年第3四半期から低下傾向にあり、 2013年第1四半期には10%を下回り、 特に25歳未満失業率は9%を下回っている。
2012年のユーロ圏の実質GDP 成長率 (前期比、 季節調整値) を四半期ごとにみると、マイナスの値が続く傾向となり、 需要項目別にみると、 個人消費、 設備投資が当該傾向に寄与した。 また、2012年通年の実質 GDP 成長率も前年比でマイナスの値となった。
フランスは、 農業生産額がEU 最大であり、 リーマン・ショック後の世界的金融危機の中でもプラス成長を維持していたが、 2011年に欧州経済危機の影響を受け、第二次世界大戦後初めてのマイナス成長を記録した。翌年には17年ぶりに国民運動連合出身の大統領が誕生し、経済 回復を最優先として、雇用の制限など緊縮重視の経済政策が実施された。
ユーロ圏の実質経済成長率 (前期比年率、 季節調整値) について、 2011年第4四半期から2014 年第1四半期までをみると、当初、 景気低迷が続いていたが、 2013年第2四半期からプラスの値となり持ち直しの動きとなっている。 一方、 2010 年以降のユーロ圏主要国の失業率をみると、 ドイツは2013年末まで一貫して10%を下回っているが、 スペインはユーロ圏の水準より高水準で推移しており、 2013 年末時点では20%を超えている。
ユーロ圏全体の実質経済成長率(前期比年率) は、2014年第1四半期にマイナス 2.1% と大きく落ち込んだ後プラスで推移していたが、 2015年第1四半期にはマイナス 0.7% と減速した。2015年第1四半期の主要国の実質経済成長率 (前期比年率) をみると、これまで低迷していたドイツが3.8% と高い伸びを示したが、 スペインについては1.1% と伸びがやや鈍化した。
- ユーロ圏の実質経済成長率(前期比) は、 2013年第2四半期から2013年第4四半期まで3四半期連続でプラスを続けたものの、個人消費の低迷を受け 2014年はいずれの四半期もマイナス となった。
- ヨーロッパ各国の2013年第1四半期から2015年第1四半期までの実質経済成長率(前期比) をみると、ドイツは概ねプラスで推移している一方、 英国、 スペイン、 フランスは概ねマイナスで推移している。
図Ⅰ、Ⅱ、Ⅲは、英国、ドイツ、イタリア及びユーロ圏について、 2008年~2015年の各国及び経済圏の指標の推移を示したものであり、 A-Dにはこれらの国及び経済圏のいずれかが該当する。このとき、A~Dにする及び組合せとして妥当なのはどれか。
A B C D
- ユーロ圏 ドイツ イタリア 英国
- イタリア ドイツ ユーロ圏 英国
- ユーロ圏 英国 イタリア ドイツ
- イタリア 英国 ユーロ圏 ドイツ
- 英国 イタリア ユーロ圏 ドイツ
イタリアでは、 古くから工業化の進んだ北部と農村の広がる南部との経済格差が問題となっている。政府は、財政再建と経済成長の両立を目指しているが、 2014年には財政赤字の拡大のため欧州委員会から制裁金を課され、また、 2016年には中部でマグニチュード6.2の大地震が発生したこともあり、 同年の年平均経済成長率が3年連続のマイナスとなった。
- ユーロ圏全体の実質GDP 成長率 (前期比、 季節調整値) は、 2013年4-6月期から2015年 10-12月期まで長期間にわたりプラスを維持してきたが、 2016年7-9月期から 2017年 4-6月期までについては、個人消費が連続してマイナスに寄与したことや失業率の上昇などを反映して、 マイナスで推移した。
- 英国は、2016年半ばに国民投票で EU離脱が決定された直後からポンドと株価が下落し始め、 2017年半ばまでその下落傾向に歯止めがかからなかった。 このような状況の下、 実質GDP 成長率(前期比、季節調整値) は、個人消費がマイナスに寄与したことなどを反映して、2016年 7-9月期から3四半期連続でマイナスとなった。
- ユーロ圏経済の2017年の実質GDP 成長率は、個人消費が堅調に推移したことや、 世界経済 が好調だったことを背景として2%を超え、 前年の成長率を上回った。 また、 同年の失業率をみると、ドイツでは東西ドイツ統一後の最低水準となっている一方で、スペインやイタリアでは 10%を超えている。
- 英国経済の状況をみると、 EU離脱を控え、離脱交渉に係る不透明感が個人消費や企業活動に影響を及ぼしたため、 2017年の実質GDP 成長率はマイナスとなった。 労働市場に注目しても、 EU離脱に対する不安感が影響し、 2015年半ばから失業率は上昇を続けており、 2018年の初めには 6% 台となっている。
2018年のユーロ圏全体の実質 GDP 成長率(前期比、 季節調整済) をみると、 前年のマイナス 基調から、第1四半期にプラスへと転じ、 それ以降、 第4四半期までプラスで推移した。 また、 2018年のドイツの実質GDP 成長率 (前期比、 季節調整済) をみると、 第1四半期のマイナスから第3四半期には年率で4%を超えるプラスとなった。
消費者物価
ユーロ圏の消費者物価上昇率(総合、 前年比) は、2013年10月に前年比マイナス 0.6% となって以降、1年以上前年比マイナスで推移していたが、 2015年1月には前年比0.7 % と約5 年ぶりのプラスとなった。 その後、 プラス幅は徐々に縮小し、 2015年4月には前年比0.0% となった。
ユーロ圏の消費者物価上昇率(前年同月比)は、世界経済危機時の2009年半ばを底に 2013年後半まで上昇幅が拡大したが、その後、 上昇幅は減少に転じた。 欧州中央銀行 (ECB)は、デフレの阻止を目指し、2014年の1年間に4度にわたり政策金利を引き下げた結果、 2014年9月には政策金利は過去最低水準の 0.25% となった。
英国の消費者物価上昇率(総合、 前年同月比) の推移をみると、 2016年半ばのEU離脱をめぐる国民投票後、 2017年末まで鈍化傾向で推移し、それ以降 2019年7月現在まで上昇率が拡大して推移している。 また、 英国の実質賃金上昇率(前年同月比) をみると、 2017 年末以降 2019 年4月現在までマイナスで推移している。
貿易
- ユーロ圏の輸出(財・サービス、 GDP統計) について 2008年第3四半期を100とした指数でみると、2009年、 2010年は横ばいであったが、 そののち、 2011 年から2013年まで一貫した低下傾向となり、2013年第4四半期には100を下回っている。
- ユーロ圏主要国別に輸出(財・サービス、 GDP統計) について 2008年第3四半期を100とした指数で 2013年第4四半期をみると、 フランスやイタリアは120 を超えているが、 ドイツやスペ ワインは80程度となっている。 また、 これらの国の仕向地別輸出比率について、 2008年と比較し 2013年の数値をみると、いずれもユーロ圏の比率が上昇している。
ユーロの為替動向をみると、2014年半ば以降 2015年前半まで、 ユーロはドルに対して増価傾向にある。また、 ユーロ圏の域外財輸出の状況(輸出金額を指数化 (2012年=100) したものの 後方3か月移動平均) をみると、同期間において減少傾向にあり、 仕向先別寄与度 (四半期別、 前期比) をみると、同期間においてアメリカ合衆国向け輸出が減少し続けている。
2014年1年間のユーロの為替動向についてみると、 欧州中央銀行 (ECB) 総裁による量的金融緩和に関するアナウンス効果やアメリカ連邦準備制度理事会(FRB) による金融政策正常化に向けた利上げ観測の高まりなどを背景として、 年途中からユーロはドルに対して大幅に減価していった。
金融
2012年9月に欧州中央銀行 (ECB) が新たな国債買取策 (OMT) を発表したものの、金融資本市場の緊張は依然継続し、 2013年においてもスペイン、 イタリアの国債利回り (10年物) は上昇し続け、2013年9月にはいずれの国でも7%を上回った。 また、 2013年5月に米国の金融緩和縮 小観測が生じて以来、米国、英国の長期金利 (10年債) が急低下したものの、 2013年9月の両国 の同金利は4%を上回っている。
欧州債務危機に際し、 財政危機国を支えるために2012年に欧州安定メカニズムが発足するとともに、2013年に欧州連合(EU)のいわゆる新財政協定が発効した。 欧州中央銀行 (ECB) による金融政策などもあり、スペインやポルトガルの国債利回りは低下し、 予定どおり両国に対する金融支援策も終了した。
欧州中央銀行 (ECB) は、 中期的な物価安定目標を 2% に近い水準としており、 2014年9月 に政策金利を0.05%に引き下げたほか、 2015年には量的緩和策を実施した。 当該量的緩和策による購入対象資産は、インフレ連動債を含む国債、 EU 機関債などとなっている。
ユーロ圏の消費者物価上昇率(前年同月比)は、世界経済危機時の2009年半ばを底に2013年後半まで上昇幅が拡大したが、その後、 上昇幅は減少に転じた。 欧州中央銀行 (ECB)は、デフレ の阻止を目指し、2014年の1年間に4度にわたり政策金利を引き下げた結果、 2014年9月には政策金利は過去最低水準の0.25% となった。
雇用
ギリシャでは、2010年にEUからの財政支援を受け、 財政再建を中断して高い経済成長を目指す方針への転換を図った結果、 2011 年及び2012年における実質経済成長率はいずれも前年比 プラス成長を記録している。 また、 個人消費が持ち直していることで、雇用環境も改善し、 一時 25%に達していた失業率は、 2012年後半には10%程度まで改善している。
欧州では、深刻な状況にある若年失業者問題について、これまでもEUレベルで様々な対策が打ち出されてきたが、 2013年のEU首脳会議では、若年層の失業率が25%を超えている国で、教育・労働・職業訓練のいずれも受けていない若者への集中的な取組である 「若年雇用イニシアチブ」を実施することが決定された。
- ドイツでは、2011年の実質経済成長率 (前年比) は、他のユーロ圏主要国よりも比較的高い伸びを示していたが、 2012年後半に輸出の落ち込みがみられたこともあり、2012年の実質経済成長率 (前年比) は前年よりも大幅に低下して1%を下回った。 失業率をみると、 2012年では、 旧西ドイツ地域と旧東ドイツ地域との間に大きな差がみられるものの、 ドイツ全体としては、 他のユーロ圏主要国であるフランス、 イタリア、 スペインよりも低い。
- イタリアでは、 実質経済成長率(前期比年率、 季節調整値) をみると、 欧州政府債務危機の影響は比較的小さかったが、 緊縮財政の影響から、 2013年第1四半期にマイナス2.1%となり、 7四半期ぶりにマイナス成長となった。 失業率をみると、 2011年第3四半期から低下傾向にあり、 2013年第1四半期には10%を下回り、 特に25歳未満失業率は9%を下回っている。
失業率をみると、 先進国ではドイツやフランス以外は、 2013 年末時点で世界経済危機直前の水準を上回っている。 一方、 ギリシアやスペインの失業率は欧州債務危機の影響で一時は20% を超えていたが、2013年末時点では、 10%程度まで低下している。 また、 国際労働機関(ILO) によると、2013年の世界の失業者数のうち、 15~24歳の若年層が占める割合は6割程度と なっている。
英国の失業率をみると、 2013 年に入って長期失業率 (失業期間が1年以上)が上昇傾向となり 3% 台から4%台へ推移した。 また、 同年の短期失業率 (失業期間が6か月未満) も上昇傾向にあり 4%台から5%台へ推移し、 それに伴い、 実質賃金 (前年比)は2012年初めから2013年 末まで前年比でマイナス幅が拡大している。
ユーロ圏の実質経済成長率 (前期比年率、 季節調整値) について、 2011年第4四半期から2014 年第1四半期までをみると、当初、 景気低迷が続いていたが、 2013年第2四半期からプラスの値となり持ち直しの動きとなっている。 一方、 2010 年以降のユーロ圏主要国の失業率をみると、 ドイツは2013年末まで一貫して10%を下回っているが、 スペインはユーロ圏の水準より高水準で推移しており、 2013 年末時点では20%を超えている。
ユーロ圏全体の失業率は、2015年3月には11.3%となり、 2013 年初めから上昇傾向にある。また、ユーロ圏主要国の若年失業率(前年差) をみると、2015年3月には、フランスが微増にとどまっている一方、 ドイツ、 イタリア、スペインは前年を大きく上回っており、ユーロ圏全 体でも前年を大きく上回っている。
ユーロ圏全体の失業率は、 2013 年初頭以降緩やかに上昇し2015年3月には 15% を超えた。 これを国別にみると、 ドイツの失業率は良好な経済状況を背景に比較的低水準で推移しているのに対し、スペインの失業率は、 この間上昇傾向で推移し2015年8月には25%を超えた。
ドイツでは、 2013年の連邦議会選挙でキリスト教民主同盟・社会同盟 (CDU/CSU) が大勝し再び単独政党による政権となった。 2015年、 メルケル首相は、欧州で最も厳しいとされる解雇規制の緩和など、 企業の労働コストを削減し、競争力を回復する政策を推し進めた。 その結果、 同年の経済成長率はプラスに転じたが、 失業率は10% 超となった。
2014年から2017年前半までのユーロ圏の失業率(季節調整値) をみると、 全体として低下傾向にある。 2017年半ばの各国の失業率を比較すると、 イタリアの失業率は、 ドイツより高いもののスペインよりも低い状況となっている。
- ユーロ圏経済の2017年の実質GDP 成長率は、個人消費が堅調に推移したことや、 世界経済が好調だったことを背景として2%を超え、 前年の成長率を上回った。 また、 同年の失業率をみると、ドイツでは東西ドイツ統一後の最低水準となっている一方で、スペインやイタリアでは 10%を超えている。
- 英国経済の状況をみると、 EU離脱を控え、離脱交渉に係る不透明感が個人消費や企業活動に影響を及ぼしたため、 2017年の実質GDP 成長率はマイナスとなった。 労働市場に注目しても、 EU離脱に対する不安感が影響し、 2015年半ばから失業率は上昇を続けており、 2018年の初めには 6% 台となっている。
【アジア・オセアニア情勢】出題分析・過去問傾向まとめ
実質GDP成長率
タイの2011年10-12月期の実質GDP成長率は、前年同期比(原系列)でマイナス9%となり、2012年1-3月期においても、当該成長率はマイナス7%となった。また、供給項目別にみると、2011年10-12月期のマイナスに大きく寄与したのは、製造業ではなく金融業や農林水産業であった。
インドネシア、タイ、マレーシア及びフィリピンのいわゆるASEAN4と呼ばれる国々については、2012年の実質GDP成長率(前年比)は、内需の落ち込みに加え、輸出も落ち込んだため、いずれの国も3パーセント未満の伸びとなった。特にタイは、2011年の洪水の影響により消費及び投資が大きく落ち込み、2012年の実質GDP成長率はマイナスとなった。
次の図と表は、ASEAN4と呼ばれる、インドネシア、タイ、マレーシア、フィリピンについて、各国の経済指標を示したものであり、A~Dにはこれらの国のいずれかが該当する。このとき、A~Dに該当する国名の組合せとして正しいのはどれか。
A B C D
- インドネシア フィリピン タイ マレーシア
- インドネシア フィリピン マレーシア タイ
- インドネシア タイ フィリピン マレーシア
- マレーシア インドネシア タイ フィリピン
- マレーシア フィリピン タイ インドネシア
タイ経済は、2011年の洪水の影響で大きく落ち込んだ消費及び投資が政府の景気対策などの効果もあって増加したことにより、実質GDP成長率(前年比)は、2011年はゼロ%程度だったが、2012年には6%を超えるまでに回復した。雇用環境について2005年から2012年にかけてみると。失業率は低下傾向にあり、かつ主要先進国より比較的低い水準にとどまっている。
ベトナムは、リーマンショック後には数年間にわたり深刻なデフレに陥ったことや家計消費力の低下に伴う民間消費の減退によって、2010年に入り他のASEAN諸国と同様に経済成長が鈍化し、2014年、2015年の実質GDP成長率は2年連続でマイナスとなった。
雇用
タイ経済は、2011年の洪水の影響で大きく落ち込んだ消費及び投資が政府の景気対策などの 効果もあって増加したことにより, 実質 GDP 成長率 (前年比) は,2011年はゼロ%程度だったが, 2012年には6%を超えるまでに回復した。 雇用環境について 2005年から2012年にかけてみる と、失業率は低下傾向にあり,かつ主要先進国より比較的低い水準にとどまっている
その他
マレーシアでは、近年、 安価な人件費を強みとして家電メーカーの生産拠点の誘致に成功し 2000年以降、 輸出総額に占める電気・電子産業のシェアが急速に上昇している一方、鉱物性燃料など資源の輸出シェアは同期間において低下傾向にある。 また、 マレーシアの名目GDP の産業別構成比は、2013年では製造業が5割以上を占めている。
2000年~2014年における、 マレーシア及びインドネシアの財別貿易の推移をみると、両国とも素材の占める割合が加工品の占める割合を上回っているものの、その差は縮小傾向にある。 また、 インドネシアでは財別貿易に占める部品の割合は30~40% 程度と高くなっている
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