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【2023年最新時事】児童虐待の出題ポイント解説【公務員のライト】

     

    こんにちは😊公務員のライトです!
       

    今回は、公務員試験の最新時事:児童虐待について、ポイントを解説していきます。

     

    【公務員試験の最新時事】児童虐待とは?

    (出典:岩手県HP)

    児童虐待とは、一般的には保護者が監護する児童(18歳未満)を虐待することです。しかし子どもに物理的暴力や精神的苦痛を与える行為も含まれます。保護者だけではなく同居人、教師や施設職員が加害者になることもあります。児童虐待には大きく身体的虐待性的虐待ネグレクト心理的虐待4種類があります。1つ1つの意味を確認していきましょう。

     

    身体的虐待

    身体的虐待とは、殴る、蹴るなどの行為等の、子どもの体に暴力を振るう虐待です。また、溺れさせる、やけどを負わせる等の行為も含まれます。

     

    性的虐待

    性的虐待とは、性的行為を見せる、性器を触らせる等の子どもに対し性的行為を強要する虐待です。また、性器を触らせる、ポルノグラフィ(性的描写)の被写体にする行為も含まれます。

     

    ネグレクト

    ネグレクトとは、食事を与えない、不潔な状態のままにする等の子どもの育児を放棄する虐待です。上記のほかにも、車に放置する、病院に連れて行かない行為も含まれます。

    ちなみに、ネグレクトは英語表記で“neglect”と表され、無視、軽視、放置の意味があり、これが語源とされています。

     

    心理的虐待

    心理的虐待とは、子どもに精神的苦痛を与える虐待です。一般的に、虐待は暴力等の物理的な行為と認識されていますが、暴言を吐く、拒絶する精神的な行為も含まれます。特に無視する、兄弟で差別するなどの周囲の人が気づきにくい行為が、近年問題となっています。

    児童虐待は全部で4種類あることを覚えておきましょう!

     

     

    【公務員試験の最新時事】児童相談所における児童虐待相談対応件数

    (出典:最強の時事)

    児童相談所における児童虐待相談対応件数は、近年右肩上がりの傾向が続いており、2020年
    には初めて20万件を超え、2021年は20万7,660件と、過去最多を更新しました。

     

    要因

    近年の増加要因として、厚生労働省は心理的虐待に係わる相談対応件数の増加、虐待相談窓口の普及などにより、家族親戚、近隣知人、児童本人等からの通告の増加を挙げています。

    児童虐待の相談対応件数は近年で大きく増加しています。

     

     

    【公務員試験の最新時事】児童虐待の種類別割合(2021年)

    (出典:最強の時事)

    虐待の種類別件数は、「心理的虐待」が12万4724件(60.1%)と最も多く、「身体的虐待」が4万9241件(23.7%)、「ネグレクト」が3万1448件(15.1%)、「性的虐待」が2247件(1.1%)となっています。

     

    近年の傾向

    近年では、「心理的虐待」が大幅な増加傾向となっています。心理的虐待が多い理由として、兄弟の虐待を目撃した子どもや、子どもの目の前で親がその配偶者に暴力を振るう「面前DV(ドメスティック・バイオレンス)」も「心理的虐待」に該当することなどが挙げられます。 つまり、ただの夫婦喧嘩と捉えられていた行為も虐待に含まれることになります。

    心理的虐待は全児童虐待の半数以上を占めています。

     

     

    【公務員試験の最新時事】児童虐待の問題点

    児童虐待の問題点は複数考えられますが、主に相談しにくい、発見の難しさ、しつけとの境界が挙げられます。1つ1つ詳しくみていきましょう。

     

    相談しにくい

    児童虐待は被害者が子どもであるので、親からの虐待について、周りの大人に相談したり、助けを求めることが難しいのが現状です。

    いかに周囲の大人が近所に目を向けるようになるのかが、今後の重要な課題となります。

     

    発見の難しさ

    スーパーやデパート等の外で起きる虐待は、周りの目があることもあり発見しやすいですが、家庭内で起きる虐待は、発見が難しく、虐待問題が潜在化する傾向があります。特に日本人は周囲への関心が薄い特徴があるので、より発見が難しくなります。

     

    しつけとの境界

    よくしつけと虐待が比較されることがありますが、その決定的な違いは目的にあります。しつけとは、子どもの人格や才能を伸ばすことで、社会性を育む行為です。それに対し虐待とは、大人が自分の利己的な感情や考えによって、無理やり子どもを支配する行為です。つまり、しつけは子どものため虐待は大人のためのものです。

     

    見分け方

    2つの簡単な見分け方は、子どもの体や心に苦痛を与えていないか、本人が理解できる方法で伝えているかを考えてみましょう。児童虐待を減らしていくためには、学校、行政、地域社会がそれぞれ連携し、虐待から子どもを守るネットワークを構築していく必要があります。

    児童虐待としつけの違いをしっかりと理解しておきましょう!

     

     

    【公務員試験の最新時事】児童虐待防止法制度(児童虐待の防止等に関する法律)

    児童虐待防止法(児童虐待の防止等に関する法律)は、18歳未満の子ども(児童)を虐待から守るための法律であり、2000年制定されました。児童に対する虐待防止や発見した場合の保護規定などについて定められています。

     

    児童虐待防止法の内容

    児童虐待防止法では、親や児童養護施設の職員、成年後見人といった「保護者」が子どもに対して虐待を行うことを禁止しており、児童虐待の大きな4つの区分に対応した以下の4つの行為を虐待として明確に規定しています。

     

    児童の身体に外傷を生じ、又は生じる恐れのある暴行を加えること

    暴行を加えてケガをさせるなど、身体的な虐待に向けた規定です。

     

    児童にわいせつな行為をすること又は児童をしてわいせつな行為をすること

    児童に対してわいせつな行為を強要する、児童ポルノに出演させる等の、性的虐待に向けた規定です。

     

    児童の心身の正常な発達を妨げるような著しい減食又は長時間の放置その他の保護者としての監護を著しく怠ること

    いわゆるネグレクトや、極端に食事の量を減らすなどの行為に向けた規定です。さらに、同居人が子どもを虐待している状態を放置する行為も、この規定に該当します。

     

    児童に著しい心理的外傷を与える言動を行うこと

    暴言を吐いたり、子どもの目の前で配偶者に暴力をふるったりするなどして、心理的虐待に向けた規定です。

     

    児童虐待防止法制度の改正

    児童虐待防止法制度は2019年に一部改正され、親による「しつけ」を理由とした体罰が明文で禁止されました。また、虐待が疑われる家庭への児童相談所による介入機能が強化されました。

    法制度の改正は、公務員試験では出題されやすいです!

     

     

    【公務員試験の最新時事】関係機関の役割

    児童虐待を無くしていくためには、児童相談所だけでなく、自治体、学校、警察等の様々な関係機関の連携や迅速な対応が必要不可欠です。なので、各関係機関にはおおまかな役割が決められています。

     

    児童相談所(主に都道府県が運営)

    児童虐待の通告や学校からの情報提供を受けて、子供と家族の状況の把握、対応方針の検討を行います。その後、一時保護の実施や保護者への指導、来所によるカウンセリング、家庭訪問による相談助言、里親委託、児童福祉施設への入所措置など必要な支援・援助を行うことが求められます。

     

    虐待対応担当課(市町村)

    児童虐待の通告や学校からの情報提供を受けたり、親からの育児不安に対する相談に応じます。その後、市町村に設置する要保護児童対策地域協議会の調整機関として、支援の状況や課題を確認したり、支援の進行管理を行います。児童相談所より、より家庭に近い存在だといえます。

     

    要保護児童対策地域協議会

    要保護児童対策地域協議会とは、市、児童相談所、学校、警察、病院などで構成する協議会であり、児童や家庭の情報を共有することで、「虐待をされそうな子ども」を早期に発見することで、未然に虐待を予防することが目的としている機関です。

     

    学校・教育委員会・教職員

    学校・教育委員会は、要保護児童対策地域協議会に参加するとともに、虐待に対して迅速かつ適切に対応できるよう、スクールソーシャルワーカーやスクールロイヤー(弁護士)、その他関係機関との連携を推進していきます。また、教職員は、虐待の早期発見・早期対応、虐待を受けた児童生徒の自立支援を行っていきます。特に教職員は児童の日常の変化に敏感になり、迅速な対応が求められます。

     

    スクールソーシャルワーカー

    スクールソーシャルワーカーとは、児童・生徒が生活の中で抱えている日常生活の悩み、いじめ、暴力行為、虐待など問題の解決を図る専門職であり、児童・生徒が、自らの力で問題の解決を図れるようにする支援を行います。また、スクールロイヤーとは、学校で発生する様々な問題について、子どもの最善の利益を念頭に置き、法的観点から学校に助言を行う弁護士のことです。

     

    警察

    110 番通報や児童相談所等の関係機関からの情報提供を受け、関係機関と連携しながら子供の安全確保、保護を行います。また、事案の危険性・緊急性を踏まえて、事件化すべき事案については厳正な捜査を行い、最後の番人的な存在です。

    各機関のおおまかな役割は覚えておきましょう!

     

     

    【公務員試験の最新時事】新たな自治体の取組

    (出典:サイボウズ株式会社(kintone))

    増加する児童虐待に対応するために、新しいクラウドサービスを活用した自治体も現れてきています。主な内容として、虐待を受けている可能性のある対象児童のリスト管理し、それぞれの経過記録、学校や保育園・幼稚園の出欠状況記録等の情報を、市役所の担当課や学校、保育所などの関係者がインターネットを通してリアルタイムに管理・共有することができるサービスです。このような、新たな技術を用いて情報共有を行うことで、効率的な対応が可能となり、虐待の可能性があるケースに対して迅速な対応ができるようになる効果があります。

     

     

    【公務員試験の最新時事】相談体制

    児童虐待の対応は都道府県や市町村だけではなく、国もさまざまな対応や体制を整えています。主な対応は以下の2つとなります。

     

    児童相談所虐待対応ダイヤル「189(いちはやく)」厚生労働省

    児童相談所虐待対応ダイヤル「189」とは、「虐待かも?」と思った場合に、24時間、いつでも児童相談所に通告・相談ができる全国共通の電話番号です。通告・相談は、匿名で行うこともできるので、通告・相談をした人、その内容に関する秘密は守られます。

     

    「24時間子供SOSダイヤル」文部科学省

    24時間子供SOSダイヤル」とは、子供たちが全国どこからでも、いつでも、いじめやその他のSOSを簡単に相談することができ、電話をかけた所在地の教育委員会の相談機関に接続する体制です。周りに相談できる大人がいない場合や対面での相談が厳しい場合に特に有効です。

     

     

    【児童虐待】出題ポイントまとめ

    • 児童虐待は2021年に過去最多を更新しました。この原因として、絶対数が増えたことも考えられますが、各関係機関の連携や周囲の方からの発見が増加したことによって、隠れていた虐待が公になってきたことが大きな要因です。
    • 児童虐待防止法制度は2019年に一部改正されました。改正内容を要約すると、「しつけ」を理由とした体罰が明文で禁止虐待が疑われる家庭への児童相談所による介入機能の強化です。
    • 児童虐待に対する対策は都道府県や市町村が中心となって進められていると捉えがちですが、国でも18924時間子供SOSダイヤル等の体制を整えています。

     

     

    【児童虐待】過去の出題例

    2019年・国税・財務

    全国の児童相談所が児童虐待の相談や通告を受けて対応した件数は、2015年度をピークに減少に転じている。一方で、子どもの命が失われる深刻な事例が後を絶たないことを受け、政府は、虐待通告の受理後、直ちに立入調査を実施できるよう、児童相談所の職員に、麻薬取締官と同様の捜査に関する権限を与えることを決定した。(×)

     

    2020年・国家総合職大卒

    悲惨な児童虐待事件が続いたことを受け、2019年に児童福祉法等の改正法が成立した。この改正法では、親権者等が児童のしつけに際して叱責や体罰を行ってはならないこととされたほか、従来児童相談所が有していた介入機能と支援機能のうち、介入機能を分離して警察に移管することで、より迅速に児童の安全を確保するとともに、児童相談所が児童及びその家庭への支援に専念できる体制を構築することとされた。(×)

     

    2019年・東京都1類

    全国の児童相談所における児童虐待に関する相談対応件数は、一貫して増加傾向にあったが、平成28年度は、前年度より減少したとしている。(×)

     

     

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