国家一般職、地方上級を受験する人に向けて
「あれ?教科書ってこんなに薄かったっけ?」
ってこの記事を読んだら思うと思います(笑)
教科書の隅から隅まで徹底的に重要度を解説していきたいと思います。
土木職公務員試験 専門問題と解答 [必修科目編]
構造(応用)力学、水理学、土質力学が学べる一番重要な教科書です。
今回は「水理学編」です。
他の科目の説明ページはこちらを見てみてくださいね。
- 【構造力学】重要度と出題頻度を紹介!
- 【土質力学】重要度と出題頻度を紹介!
- 【土木計画】重要度と出題頻度を紹介!
目次
水理学をさらに効率よく勉強したい人
まずはこれを見てください。重要度はSが超大事な箇所で残りはA~Eの5段階で示してあります。
構造力学に比べて、水理学の方が狙って勉強しやすいです。
重要度がSのところだけ集中して勉強したら全然合格レベルにたどり着けると僕は思います。
実際の問題も重要度がSのところから半分以上出題されています。
ですがやはりまんべんなく勉強することをおすすめします。
項目ごとに大事なところを集中して勉強し、重要度が高くないところも簡単な問題がでたら解ける程度にした方がいいと思います!
今回も項目ごとに大事な公式や覚えなくていい箇所などを解説していきますね。
時間と場所による流れの分類:重要度C
ここは細かく解説しません。書いてある通りのことを覚えてください。
実際の出題は少ないです。
水圧:重要度S
水圧は水理学の基礎となるので、確実に理解しなければなりません。
とくに重要度がSのところはここで理解しておかないと、この先の項目で苦労します。
とりあえずこの項目はすべて大事なのできちんと勉強するようにしましょう。
水圧 ★★★★★
ここは簡単に読んでおく程度でよいでしょう。
実際に水圧が図示できるようになるほうが、文章で覚えるよりよっぽど大事です。
水平な平面に作用する全水圧 ★★★★★
全水圧と静水圧、きちんと区別できるようにしましょう。
大事なので図で簡単に説明しておきます。
水面から2H/3のところに作用しますね。
全水圧や静水圧の問題がでたら絶対に落とさないようにきちんと勉強しておきましょう。
絶対圧とゲージ圧 ★★★★★
水圧のところで説明しましたが、大気圧を考慮しなければならない問題と、大気圧を考慮しなくてもよい問題があります。
問題文にきちんと書いてあるので使い分けてくださいね。
圧力水頭 ★★★☆☆
これは別に覚えていなくても大丈夫です。
先ほどの静水圧の公式のH=に変換したものを圧力水頭と呼びます。
傾斜した平面に作用する全水圧 ★★★☆☆
「斜面した平面に作用する全水圧を求めよ」「全水圧の作用点を求めよ」といった問題が出題されます。
見た目は難しそうに見えますが、ひとつひとつを考えてみると結構単純です。
この分野の考え方が非常に大事なので理解できるように勉強しましょう。
局面に作用する全水圧 ★★★☆☆
テンダーゲートの問題がたまに出題されます。
水平分力と鉛直分力の公式を暗記して、使いこなせればOKです。
浮体の安定:重要度B
最近はよく浮体のつり合いの問題が出題されています。流行っているかもしれませんね。
この項目は昔の教科書には記載されてないのですが、教科書を改訂した際に増加された項目ですからね。
浮力の問題を解くポイントを教えるのでメモしてください。
これらの公式は工学の基礎の許可書の後ろのほうに記載されています。
使い方をマスターしておきましょう。
連続の式:重要度S
連続の式はめちゃめちゃ大事です。
僕も最初見た時には、教科書のページ数も少ないのでそんなに大事じゃないのかと勘違いしてました。
この先の項目の基礎となる公式なので絶対使いこなせるようにしましょう!
どの断面でも流量は等しいという公式です。
マニングの式:重要度S
マニングの公式を使って解く問題は地方上級、国家一般職で超頻出です。
ほぼ毎年出題されています。そのうえ問題の難易度は低いです。
絶対に公式を使いこなせるように勉強しましょう!
そして小さく表記されていますが、径深Rを求める公式も超重要です!
確実にこの2つの式は暗記しましょう。
ちなみにこの水路の場合、径深RはH/2となります。
ベルヌーイの定理:重要度S
ベルヌーイの範囲からの出題もかなり多いです。しっかり勉強して理解する必要があります。
とくに重要なのが粘性流体におけるベルヌーイの定理のところです。
そして損失水頭のところの出題も多いです。この2つの項目のどちらかが出題される可能性はかなり高いです。
確実に点数につないでいきたいですね。
完全流体と粘性流体 ★★☆☆☆
ここは軽く読んでおく程度でよいでしょう。
完全流体におけるベルヌーイの定理 ★★☆☆☆
”エネルギー損失は無視する”などの記述がある場合のみ、こちらの公式を使用しますが、
次の項目で説明する粘性流体のほうの公式を覚えてください。
そのほうが理解しやすいと思います。
粘性流体におけるベルヌーイの定理 ★★★★★
粘性流体におけるベルヌーイの定理自体の問題はそんなに出題されません。
ですがベルヌーイの定理を使わなければ解けない問題は頻出です!
水理学においてベルヌーイの定理の考え方は非常に大事なんですね。
仮に「損失水頭を無視する」という記述があった場合でも、hのところにゼロを代入すればOKです。
ベルヌーイの定理の公式、そしてエネルギー線と動水勾配線の関係は確実にマスターしてください。
エネルギー勾配と動水勾配の複雑な公式は覚えなくていいです。
エネルギー線と動水勾配線の関係をまとめて書いておくのでメモしてくださいね。
損失水頭 ★★★★☆
損失水頭も出題が多い分野となります。
(1) 形状変化による損失水頭
(2) 円管での摩擦損失水頭
どちらも公式を覚えて使えるようにしておきましょう。
サイホン ★☆☆☆☆
公式さえ覚えてしまえば、もしサイホンの問題が出た時に一発で解けます。
ですが出題は少ないので、余裕がある人だけ公式を覚えておきましょう。
圧力計・流速計・流量計:重要度E
この分野は出題もほぼないですし、出題されても難しいので飛ばしましょう!
この分野を勉強する時間があるなら、もっと他の重要度が高い分野を勉強しましょう。
限界水深:重要度A
この分野からもかなり出題されています。
比エネルギーや限界水深に関する問題は少し難しいですが、勉強しておいたほうがいいです。
常流と射流、それに跳水のところは簡単なうえにそこそこ出題されるので絶対勉強してください。
比エネルギー ★★★★★
この公式は覚えておきましょう。
水面幅をB、水深をHとすれば流積AはA = BHと表せます。
E-Q曲線とQ-H曲線 ★★★★☆
「限界水深を求めよ」という問題が出題されることがあります。
限界水深というのは比エネルギーが最小になる条件から求めることができます。
公式として覚えてしまった方が早いと思います。
この答えの「限界水深HC=」の形を公式として覚えておきましょう。
そしてE-Q曲線やQ-H曲線の特徴なども覚えておいたほうがいいです。
グラフの中のどこが常流でどこが射流なのか、限界水深の時のEの値など特徴は覚えられるよう勉強しておきましょう。
常流と射流 ★★★★★
簡単な分野なんですけど、出題は多いです。
覚えることも単純なんで確実にマスターしましょう!
跳水 ★★★★☆
これも単純なのに意外と出題されます。
跳水は射流から常流に変わる時に発生する、とそれだけのことです。
限界勾配と限界流 ★★★☆☆
簡単に読んで理解しましょう。
相似則と無次元パラメーター:重要度C
フルード数自体の出題は少ないのですが、フルード数と常流、射流、限界流の関係はよく出題されるので教科書の表を覚えておきましょう。
公式を覚えたうえで、レイノルズ数によって流れの分類ができるという事は頭に入れておきましょう。
水の粘性とせん断応力:重要度E
出題はかなり少ないと思います。
余裕がある方は動粘性係数の公式だけ覚えておきましょう。
オリフィス:重要度B
オリフィスは難しい問題が多いです。
基礎的な問題がでたら解けるように勉強したほうがいいです。
「どの公式がオリフィスから流れ出る流量をあらわしているか」のような公式だけ知ってれば正解を選べる問題も過去に出題されています。
難しい分野であるため国家総合職などの出題が多いので、余裕がある人以外飛ばしてもよいかもしれません。
その分他の重要な分野はきちんと勉強してくださいね。
水の衝突力:重要度C
国家総合職などで出題されることが多いです。
国家一般職でもH29のの試験で出題されましたが、誘導付きの基本的な問題でした。
公式を覚えて教科書の国Ⅱの問題が解ける程度でよいでしょう。
他の科目の説明ページはこちらを見てみてくださいね。