国家一般職、地方上級を受験する人に向けて
「あれ?教科書ってこんなに薄かったっけ?」
ってこの記事を読んだら思うと思います(笑)
教科書の隅から隅まで徹底的に重要度を解説していきたいと思います。
土木職公務員試験 専門問題と解答 [必修科目編]
構造(応用)力学、水理学、土質力学が学べる一番重要な教科書です。
今回は「構造力学編」です。
他の科目の説明ページはこちらを見てみてくださいね。
- 【水理学】重要度と出題頻度を紹介!
- 【土質力学】重要度と出題頻度を紹介!
- 【土木計画】重要度と出題頻度を紹介!
目次
【公務員試験の構造(応用)力学】さらに効率よく勉強したい人
まずはこれを見てください。重要度はSが超大事な箇所で残りはA~Eの5段階で示してあります。
この図だけみるとほとんど重要にみえますよね?
構造力学という科目自体、土木の基礎となるので重要なんですね。
ですが項目の中でも重要な箇所と必要ない箇所があります。
なので項目ごとに大事な公式や覚えなくていい箇所などを解説していきますね。
教科書にある問題の右下に「国家公務員Ⅰ種試験」「国家公務員Ⅱ種試験」「国家公務員Ⅰ種 [建築]」とあります。
国家公務員Ⅰ種 [建築]はすべて飛ばしてOKです。
国家公務員Ⅱ種試験の問題を理解できるように勉強しましょう。
また、問題番号の右に「やや難」と書いてある問題があります。
基本的にはやや難と書いてある問題も飛ばしてOKです。
その中でもやった方がいい問題もあるのでその都度説明していきたいと思います。
【公務員試験の構造(応用)力学】不静定次数:重要度A
出題自体はすくないですが、この項目は土木の基礎の中心となるものです。非常に重要です。
とくに支点に作用する反力のところはきちんと使いこなせるようにしましょう!
支点に作用する反力 ★★★★★
支点に作用する力をきちんと理解しているか、理解していないか、それだけで土木を理解できるスピードが変わります。
梁の問題がでたら、まず梁にかかる力を図示しなければなりません。
なので反力と支点の図示法と反力数を確実に理解してつかいこなせるようにしましょう。
不静定次数 ★☆☆☆☆
ここは静定か不静定か判断できるようにだけしておきましょう。
ちなみにヒンジとはこれの事です。
【公務員試験の構造(応用)力学】断面力図:重要度S
曲げモーメントやせん断力、反力を求めよといった問題は非常に多く出題されています。
とくに大事なのは反力を求め方のところで、実際に自分で反力を求められるようにならなければなりません。
そして断面力の求め方、これも理解しないまま先に進んでもしょうがないです。
理解するのが難しいと思いますが、この分野は非常に大事なので時間をかけてでもきちんと理解できるように勉強していきましょう!
反力の求め方 ★★★★★
反力を求めるというのは、梁の問題を解く中で一番最初に必ず行う作業です。
梁の問題などで
「どこに力がはたらいているのか」
「支点にはどのような反力がはたらくのか」
これらの力を図示したうえで、力の大きさを求めるようにならなければなりません。
確実に理解できるように勉強しましょう。
断面力の符号 ★☆☆☆☆
これはそんなに深く考える必要はありません。すぐに慣れます。
断面力の求め方 ★★★★★
構造力学の基礎となるところです。きちんと理解できるように勉強しましょう。
土木の大事な考え方の一つに、切ってから考えるというものがあります。
教科書に書いてあるとおり梁などを途中で切った場合に、曲げモーメントMXとせん断力QXが作用するということです。
切ったところには曲げモーメントとせん断力が作用するという事を覚えておいてください。
そしてその曲げモーメントの大きさやせん断力の大きさを求められるようにしましょう。
代表的な断面力図 ★★☆☆☆
単純梁くらいは暗記してもよいかもしれません。それ以外は僕も暗記していませんでした。
暗記していると、同じ形の梁の問題が出た時に一発で曲げモーメント図や最大曲げモーメントの値を求めることができます。
無理に覚える必要はありません。わからない問題があってもその都度計算すればOKですからね。
【公務員試験の構造(応用)力学】トラスの部材力:重要度S
トラスの問題は非常に多く出題されています。
接点法と断面法は使いこなせるようにしておきましょう。
接点法 ★★★★☆
接点法を使って解く問題の出題は少ないです。
大事な項目ではあるので一応勉強しておきましょう。
接点法とはトラスにおけるヒンジの周りで切ることで未知の力を求める方法です。
断面法 ★★★★★
断面法を使って解く問題は頻出です。
確実に使いこなせるように勉強しましょう!
断面法とはトラスで求めたい部材力がある部材のところを縦に切ることでつり合いを計算し、その求めたい部材力を求める方法です。
例えばこの図のXを求めるとして、ピンクの線のところを縦に切ってつり合いを考えていくやり方です。
断面法は難しそうに見えますが解法が決まっているので、その解法を覚えるという感じになります。
結局同じパターンの問題が出てきたら解くだけになるので、時間を使ってでもやり方を覚えるようにしましょう!
トラスに生じる部材力の性質 ★★☆☆☆
簡単に読んでおく程度でよいと思います。
上弦材には圧縮、下弦材には引張力が加わる。これくらいは覚えておきたいですね。
最悪知らなくても、一個一個部材を切って考えればどちらか判断できるのでOKです。
【公務員試験の構造(応用)力学】影響線:重要度C
最大曲げモーメントと最大せん断力を求める問題はそこそこ見ますが、影響線の問題は少ないと思います。
そしてこの項目を理解していなくても、曲げモーメントの求め方やせん断力の求め方がきちんと理解できていれば、答えを導き出せます。
曲げモーメントとせん断力について深く理解してから勉強するべきだと思います。
着眼点 i における曲げモーメントの影響線 ★☆☆☆☆
影響戦というのは、大きさ1の単位集中荷重が移動したときの曲げモーメントやせん断力がどのように変化するかを図示したものです。
いわば曲げモーメントやせん断力のテンプレートといったところでしょうか。
例えば、橋があったとして、車一台が端から端まで渡りきるのに、どのような影響があるのかというのが影響線があるおかげで計算できるんですね。
単純梁と張出梁の影響線 ★★★☆☆
単純梁と張出梁くらいは影響戦の公式として覚えておいてもいいかもしれません。
ミューラーブレスロウの定理 ★☆☆☆☆
ミューラーブレスロウの定理を使わなければ解けない問題は、基本的に国家総合職か東京都の記述の問題くらいなので飛ばしましょう。
影響線の利用 ★☆☆☆☆
影響線が理解できるまでは軽く読んでおく程度でよいでしょう。
A点の反力の影響線をかけたら、影響線の大きさにP(荷重)をかけたらA点の反力の大きさが求まりますよ、というものです。
間接荷重の影響線 ★☆☆☆☆
間接荷重自体、公務員試験での出題が少ないです。
飛ばしていいと思います。
最大せん断力と最大曲げモーメント ★★★☆☆
これは、東京都などの記述式の試験で多く出題されています。
次のページくらいにある練習問題ができる程度で大丈夫でしょう。
ここは実際に練習問題をやりながら解くと理解しやすいと思います。
理解できなかったとしたら、まずは1.2章の曲げモーメントや曲げモーメント図などの書き方についてもっと勉強しましょう。
【公務員試験の構造(応用)力学】断面2次モーメント:重要度A
地方上級や国家一般職でも頻出なので断面2次モーメントはすべて理解しておきたいところです。
実際に出題されている問題は基礎的なものばかりで、この教科書に書いてあることを理解できたら確実に点がとれます。
一度理解してしまえばとても簡単なので、頑張って勉強していきましょう!
図心 ★★★★☆
図心を探せないと断面2次モーメントの問題が解けない場合があります。
他の受験生との差がでるところですね。
図心は求められるようにしておきましょう。
断面2次モーメント ★★★★★
「断面2次モーメントを求めよ」という問題は頻出です。
確実に点に結びつくように勉強していきたい分野です。
いくつか公式がのっていますが、この公式だけ使いこなせればOKです。
簡単な図形の図心軸に関する断面2次モーメント ★★★★★
長方形と三角形の断面2次モーメントは確実に暗記しておきましょう!
この公式は土木で超頻出の公式です。
これを覚えてなければ土木の公務員になんてなれません!
【公務員試験の構造(応用)力学】ひずみと応力度:重要度A
大事なところなんですけど理解するのが大変なんですね。
でも地方上級や国家一般職に出題される問題は基礎的なものばかりです。
項目の中でも重要度が高いところをきちんと勉強し、捨てるところはバンバン捨てていきましょう!
軸応力度σと軸ひずみεの関係 ★★★★★
すこし難しい分野ではありますが、実際に出題されます。
覚えてもらいたい公式を書くので、絶対にメモしてくださいね。
この公式はめちゃくちゃ大事です。上の図のようにセットで覚えてください。
この公式を変形したものと、ばねの公式を覚えておくと便利です。
先ほどの公式を「変位(棒材の伸び)=」の形に変化させたものです。
これらを使いこなせるようにしましょう!
温度変化による伸び ★★☆☆☆
公式だけ覚えておくようにしましょう。
出題はかなり少ないです。
何ページか後に問題があるので実際に解いて使い方を覚えましょう。
鉄筋コンクリート柱の軸応力度 ★★☆☆☆
ここは読んでおく程度でよいでしょう。
実際の出題も少ないです。
曲げ応力度σ ★★★★☆
ここは大事です。後で勉強する1.8 短い柱と長い柱のところでも知識が活躍します。
とりあえずはこの公式を使えるようにしましょう!
断面係数と縁端応力度 ★★★★☆
断面係数も重要です。
断面係数の公式は覚えてください。
せん断応力度τ ★☆☆☆☆
地方上級や国家一般職での出題はほとんどないです。
飛ばしてもOKです。
せん断応力度τとせん断ひずみγの関係 ★☆☆☆☆
ここも国家総合職での出題ばかりです。
飛ばしてOKです。
モールの応力円 ★★★☆☆
モールの応力円が使えないから問題が解けないということはありません。
モールの応力円に関する問題自体、土質力学での出題が多いです。
土質力学の方で使える基礎知識だけ理解できるようにしましょう。
【公務員試験の構造(応用)力学】構造物の変位:重要度A
この分野は非常に難しいですが、覚えるところや勉強しなければいけないところは限られています。
とくに梁のたわみを求める式は非常に重要です。
国家一般職や地方上級試験では梁のたわみを求める式さえ理解していれば解けるような問題ばかりが出題されています。
逆にここだけ確実に使いこなせればこの分野はOKだと思います。
微分方程式やエネルギー法などは国家総合職の記述試験などで多く出題されています。
地方上級や国家一般職を希望する方は無理に勉強する必要はありません。
たわみとたわみ角 ★★★★☆
たわみとたわみ角の基礎ですね。
きちんと読んでおきましょう。
たわみ角はyの式をxで微分すれば求めることができるということです。
微分方程式による解法 ★★★☆☆
ここは理解するのが難しい分野です。
基礎的な問題だけできればよいのでとりあえず公式は覚えてくださいね。
梁のたわみを求める式さえきちんと使いこなせるのであれば、飛ばしても問題ないと思います。
曲げモーメントを公式に代入して2回積分した後に境界条件を考慮すればたわみが求められます。(分布荷重の場合は分布荷重の大きさを代入して4回積分)
弾性荷重法 ★★★☆☆
ここは解法を覚えるだけなので、勉強しましょう。
解法を覚えてしまえば簡単です。
エネルギー法 ★★☆☆☆
エネルギー法は地方上級や国家一般職を希望するのであれば飛ばしていいレベルだと思います。
単位荷重法だけは最近出題が多いので(特にトラス)勉強したほうがいいです。
内容が難しいので、僕もこの知識を使わなければ解けないような問題は国家総合職の記述試験の時しか見たことがありません。
単位荷重法以外は飛ばしましょう。
マトリックスを用いる方法 ★☆☆☆☆
国家総合職でしか出題を見たことがありません。飛ばしましょう。
梁のたわみを求める式 ★★★★★
梁のたわみを求める式は絶対に覚えてください!
ここまでの微分方程式やエネルギー法などを理解していなくても、この式さえ覚えていれば解ける問題が非常に多く出題されています。
使い方を確実にマスターしてくださいね!
【公務員試験の構造(応用)力学】短い柱と長い柱:重要度A
どちらも重要度Aと書きましたが、長い柱での座屈の方がよく出題されています。
この分野はそんなに難しくないうえ、点数につながるので勉強していきたいですね。
実際に出題されている問題もかなり易しいです。
短い柱に作用する応力度 ★★★★☆
1.6 ひずみと応力度のところで簡単に説明しましたが、短い柱の問題で曲げ応力度の知識を使うことが多いです。
短い柱自体の実際の出題はそれほど多くないです。
公式を使えるように勉強しましょう。
長い柱での座屈 ★★★★★
この分野、とくにオイラーの座屈荷重の問題は出題が多いです。
内容も簡単なので確実におさえておきたいです。
オイラーの座屈荷重の公式
有効長さ係数K
どちらも確実に暗記しましょう。
【公務員試験の構造(応用)力学】弾塑性と塑性ヒンジ:重要度E
この分野は国家一般職、地方上級を希望するかたは勉強しなくてもよいでしょう。飛ばしてOKです。
国家総合職の記述試験ではめちゃくちゃ出題されますが、国家一般職や地方上級の試験では出題されないでしょう。
出題されたとしてもほとんどの人ができないと思うので大丈夫です。
他の科目の説明ページはこちらを見てみてくださいね。