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【2023年最新時事】ウクライナ情勢①の出題ポイント解説【公務員のライト】

     

    こんにちは😊公務員のライトです!
       

    今回は、公務員試験の最新時事:ウクライナ情勢①について、ポイントを解説していきます。

     

    【公務員試験の最新時事】はじめに

    2022 年 2 月 24 日にロシアはウクライナへの侵略を開始しました。ロシアによるウクライナ侵略を受けて、G7 を中心とする先進国は、エネルギー分野を含め、前例の無い大規模な経済制裁を迅速に導入 ・ 実施し、ロシアとの経済 ・ 政治関係の見直しを急速に進めてきました。これを契機に、冷戦後かつてないほどに経済的分断への懸念が高まっており、自国中心主義や経済安全保障の重視により多極化が進行する国際経済の構造変化を加速させ、国際経済秩序の歴史的な転換点となる可能性が出てきています。また、新興国 ・ 途上国の多くは、ロシアへの経済制裁などの踏み込んだ措置の導入を控え、ロシアとの経済 ・ 政治関係に関して、ロシアに配慮した中立的な姿勢を示している。

    ここでは、この侵略によって世界経済にどのような影響が及び得るのかを見ていきましょう。

     

     

    【公務員試験の最新時事】ロシアとウクライナ経済の変化

    両国におけるGDPの変化

    (出典:経済産業省HP)

    IMF が公表した見通しによれば、2022 年ウクライナ実質 GDP 成長率-35.0%と大幅な経済の縮小が予想されており、ロシアについても、経済制裁等の影響により、同年の実質 GDP 成長率-8.5%が予想されており、両国について、前回の見通し(ウクライナは 2021 年 10 月時点の 3.6%、ロシアは 2022年 1 月時点の 2.8%)からは大幅な予測の引下げとなっ
    ています。

    また、世界の実質 GDP 成長率は、2022 年 1 月予測の 4.4%から 3.6%に 0.8%ポイント引き下げられ、ロシアによるウクライナ侵略の直接の当事国ではない経済についても、ユーロ圏の成長率が 3.9%から 2.8%に1.1%ポイントと大きく引き下げられ、アジア地域新興国への影響も比較的大きくなっています。

    ロシアによるウクライナ侵略を受け、両国の経済見通しは大幅に下方修正されています。

     

    ロシアの経済悪化

    (出典:経済産業省HP)

    IMF の世界経済見通しでは、2022 年インフレ深刻な水準に高進することも予測されています。具体的には、ロシアでは、資源価格の高騰に加えて、経済制裁等による物資の供給に混乱が生じることもあり、2022 年インフレ率21.3%(前回 2021 年 10 月時点の見通しは 4.8%)と 2021 年の6.7%から大幅な上昇が予測されています。世界銀行でも、2022 年 4 月に公表したレポートでは、2022 年のロシア実質 GDP 成長率を -11.2%(2022 年 6 月に公表した世界経済見通しレポートでは -8.9%へ修正)、インフレ率を 22.0%と予想しており、他の見通しと同様に大幅な経済の落ち込みとインフレ高騰を見込んでいます。

    IMFや世界銀行の他、ロシア中央銀行さえもも、2022年のロシアの大幅なマイナス成長と極めて高いインフレを予測しています。

    (出典:経済産業省HP)

    足下のロシア経済の主要な経済指標は、上述のロシア経済についての困難な見通しと整合的な動きとなっており、経済制裁等の影響が既に現れています。具体的には、ロシアの企業景況感を示す購買担当者景気指数(Purchasing Manager Index:PMI)は、2022 年 4 月時点で景況感の境目となる 50下回っており、同年 3 月時点の製造業生産は前年比-0.3%と減産に陥ってしまっています。更に同年 4 月の消費者物価指数前年比 17.8%上昇となり、商品市況の高騰と物資供給の混乱の影響が出ています。

    ロシア経済は、制裁等により、企業景況感(PMI)や製造業生産の低迷、インフレ率の急騰等に既に悪化が見られ、厳しい経済見通しに整合的な推移を示しています。

     

     

    【公務員試験の最新時事】金融市場と商品市況への影響

    金融市場への影響

    (出典:経済産業省HP)

    ロシア経済の悪化をもとに金融市場と商品市況の動きを見ると、世界の株式市場の動向を示す MSCI の世界指数(先進国分)と新興市場指数は、ロシアによるウクライナ侵略の直前(2022 年 2 月 23 日)と比較し て、 そ れ ぞ れ -3.8 %(同 年 3 月 8 日 時 点) と-14.9%(同年 3 月 15 日時点)の下落となり、新興国の株価が特に大幅に下落しました。

    (出典:経済産業省HP)

    ロシアは石油や天然ガス等のエネルギー部門輸出の約 5 割を占めており、ウクライナは穀物等の食料主な輸出品目としています。ロシアによる侵略が開始されてからの商品市況の動向を見ると、原油価格の代表的な指標の一つである WTI 原油先物価格は、ロシア産の原油が供給不安になるとの懸念が高まったことで、2022 年 3月に入り 2014 年 6 月以来となる 1 バレル 100 ドルを超え、侵略開始直前と比較して 34.3%と大幅に上昇しました。また、ロシア産原油の価格動向を示す指標銘柄を見ると、アジア向けとされる東シベリア太平洋(ESPO)パイプライン経由の原油価格が低迷しており、主に欧州向けとされるウラル原油価格がロシアによるウクライナ侵略後に下落しました。

     

    商品市況への影響

    (出典:経済産業省HP)

    穀物価格の面では、両国の主要な輸出品目の一つである小麦と、ウクライナの主要な輸出品目の一つであるトウモロコシの先物価格動向を見ると、小麦先物価格は侵略開始直前に比較して 62.7%もの上昇となり(同年 3 月 7 日時点)、トウモロコシの先物価格は 19.7%の上昇となりました(同年 4 月 29 日時点)。

    ロシアによるウクライナ侵略に伴い、供給減少懸念の強まりを背景に、金融市場と商品市況が悪化しています。
    国民生活に直結するエネルギーや穀物等の商品価格も高騰し、エネルギー安全保障や食料安全保障に影響が出ています。

     

    ロシアの通貨・金融市場の混乱

    (出典:経済産業省HP)

    ロシアがウクライナへの侵略を開始したことによって、ロシア経済自体が混乱するとの懸念が強まりました。その結果、ロシアの金融市場も大きく混乱し、ロシア通貨であるルーブルは、2022年 3 月 7 日に対米ドルでの為替レートが一時は史上最安値となり通貨価値が大幅に下落し、株式市場は低迷しています。

    ロシア通貨のルーブルは、大幅下落後、資本規制や外貨需要低迷により持ち直しました。また、ロシア中銀は、通貨防衛のために政策金利を大幅に引き上げ、その後小幅に修正しています。
    ロシア経済の混乱により、ロシア株式市場は低迷しました。国債金利とクレジットデフォルトスワップ(CDS)は、ロシアの債務不履行に対する懸念の高まりを受けて急騰した後、持ち直しています。

     

     

    【公務員試験の最新時事】資源価格高騰に伴う非資源国の交易条件の悪化

    (出典:経済産業省HP)

    既に資源価格が高騰していたことに加え、ロシアのウクライナ侵略の影響で資源価格が更に高騰し、非資源国(日本、ドイツ)の交易条件は悪化しています。対して、資源国(アメリカ、カナダ等)は改善傾向になっています。

    日本のように資源を持たない国は、家計の購買力低下や企業収益の圧迫に繋がるため、交易条件が悪くなります!

     

     

    【公務員試験の最新時事】ロシア・ウクライナへの国際与信残高と両国の輸出品目

    国際与信残高

    (出典:経済産業省HP)

    国際決済銀行(BIS)の国際与信統計によると、ロシアウクライナに対する金融機関の国際
    与信残高は、欧州諸国や米国、そして日本の割合が比較的大きいものの、各国における国際与信残高総額に占めるロシアとウクライナの割合大きくはないことがわかります。このことから、各国におけるロシアとウクライナとのつながりを見ると、金融面での直接的なつながりは大きくはないことになります。

    ロシアとウクライナへの国際与信残高は、各国の国際与信残高に占める両国のシェアは大きくはなく、金融面での影響は限定的です。

     

    輸出品目

    (出典:経済産業省HP)

    ロシアとウクライナの輸出品目のを見ると、ロシアの輸出品目では、石油 ・同製品、石炭、石油ガスといったエネルギー関連が上位品目に多く、ウクライナの輸出品目では、植物性油脂、トウモロコシ、小麦等といった食料関連が上位品目に多いです。両国の主要な輸出品目は、それらを輸入に依存する国において、国民生活に影響を及ぼす重要な品目であるといえます。

    貿易規模は大きくはありませんが、ロシアは石油・石油ガス等のエネルギー、ウクライナはトウモロコシ・小麦等の穀物が主要輸出品目で、貿易依存度の違いにより国ごとに影響は異なるります。

     

     

    【公務員試験の最新時事】ロシアのエネルギー関連品目の輸出

    (出典:経済産業省HP)

    ロシアの主要な輸出品目であるエネルギー関連品目の 2020 年の生産動向を概観すると、原油については、ロシアは日量 1,067 万バレルで、世界シェアの 12.1%を占める世界第 3 位生産国であり、石炭については世界第 6 位天然ガスについては 世界第 2 位生産国です。ロシアは、欧州・アジア諸国にエネルギー関連品目を輸出しています。更に日本は、ロシアにとって石炭液化天然ガス上位輸出相手国となっており、いかにロシア依存しているかがわかります。

     

     

    【公務員試験の最新時事】ロシアとウクライナへの食料輸入依存度

    (出典:経済産業省HP)

    ロシアとウクライナは主要な食料供給国です。特に小麦輸出は、ロシアが世界第1位、ウク
    ライナが第5位、トウモロコシ輸出は、ウクライナが世界第4位、ロシアが世界第11位となっています。

    中東・アフリカ諸国を中心に、途上国では、両国への食料輸入依存度が極めて高くなっています!

     

     

    【公務員試験の最新時事】ロシアへの肥料依存度

    (出典:経済産業省HP)

    ロシア世界第1位肥料輸出国であり世界の肥料輸出額のうち約13.4%を占めています。輸出国は特に新興国・途上国でロシアに肥料依存している状況です。しかし、ウクライナ侵略に伴う混乱により、肥料材料価格高騰しています。

    ウクライナ侵略に伴う混乱から食料安全保障にも懸念が生じています。

     

     

    【ウクライナ情勢①】出題ポイントまとめ

    • IMFや世界銀行の他、ロシア中央銀行も、2022年ロシアの大幅なマイナス成長と極めて高いインフレを予測しています。
    • ロシアによるウクライナ侵略に伴い、供給減少懸念の強まりを背景に、金融市場商品市況悪化しています。
    • ロシアのウクライナ侵略の影響で資源価格が更に高騰し、非資源国(日本、ドイツ)の交易条件悪化し、資源国は改善傾向です。
    • 日本は、ロシアにとって石炭液化天然ガス上位輸出相手国です。

     

     

    【ウクライナ情勢①】過去の出題例

    2015年・特別区Ⅰ類

    ロシアによるウクライナの主権と領土の継続的侵害を一致団結して非難し、ウクライナ国境近くのロシア軍を完全に撤収することを要求したが、ロシアとの深刻な対立を避けるため、追加的制限措置を実施する用意があることについてはG7首脳宣言に明記しなかった。(×)

     

    2015年・国家総合職大卒

    ロシアは2010年に世界貿易機関(WTO)に加盟したことを機に貿易の自由化などを推し進め、石油や天然ガスなどの資源を中心に輸出額を大幅に増加させた。経済成長率はWTO加盟前は2%台であったが、2011〜2013年には年率5%を超え、雇用の回復や個人消費の増大も顕著であった。(×)

     

     

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    【ウクライナ情勢①】参考書はコレで決まり!

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