こんにちは😊公務員のライトです!
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今回は、【公務員試験の最新時事:参議院議員選挙】について、ポイントを解説していきます。
目次
【公務員試験の最新時事】はじめに
皆さんは、2022年の参議院議員選挙に投票に行きましたか?衆議院や参議院の選挙は国会議員を決める選挙であるため、今後の日本の政治の方向性を決めるといっても過言ではないくらい重要な選挙です。では、中学生で学んだ参議院選挙の仕組みを覚えている人はどれくらいいるのでしょうか。ここでは、改めて宣選挙の仕組み等を復習しましょう。
【公務員試験の最新時事】参議院と参議院選挙
選挙
日本では、新しい法律を作ったり、国民から集めた税金の使い道を決めたりするために、国会で話し合いが行われます。でも、国民全員が国会に集合するのは無理なので、国民が自分たちの代わりに国会で話し合いに参加して意見を述べてくれる人を選びます。このことを「選挙」といいます。
国会の仕組み
ここで国会の仕組みを復習します。話し合いが行われる国会には、衆議院と参議院があります。衆議院と参議院を置くことで、両院の間でも話し合いが行われます。もし、衆議院と参議院のどちらかひとつしかなければ、そのひとつの院だけの話し合いで極端な意見が採用される可能性があります。そこで、2つの院を置いて、両院の間でも話し合いが行われることで、意見が極端にならない議論ができます。
衆議院と参議院
国会の衆議院と参議院は対等の関係ではありません。衆議院と参議院、それぞれで話し合って出した結論が反対の場合、衆議院で決めたことが国会の決めたことになります。
参議院の位置づけ
衆議院議員の任期は4年、解散もありますが、参議院の任期は6年で解散もありません。もともと参議院は、日本国憲法ができる前、大日本国憲法の時代の貴族院です。4年間で議員全員が選び直される衆議院は、良くも悪くも国民の最近の意見に左右されます。そこで参議院が、衆議院を長期的な視点で監督するのです。そこで参議院は「良識の府」と呼ばれています。
参議院選挙の影響力
参議院選挙は衆議院選挙と違って、結果によってすぐに政権が代わることはありません。すぐに代わることはないのですが、直近2回、2009年、2012年の政権交代は、どちらも参議院選挙で、与党が負けたことがきっかけになりました。このように、参議院選挙の結果によっては、次の衆議院選挙で政権が代わるきっかけになるのです。
【公務員試験の最新時事】参議院選挙の仕組み
制度
参議院選挙(以下、参院選)とは、「参議院議員の半数を改選」する選挙です。参議院議員の任期は6年ですが、衆議院と違い解散の制度がないため、3年ごとに定数の半分が改選される仕組みとなっています。
議席数
議席数とは議員の定員のことです。2018年の公職選挙法改正により、参議院の議員定数は「248議席」となりました。この半数は124議席ですが、2022年の参院選では、神奈川選挙区における欠員分の1議席(非改選)の選挙も同時に行われたこともあり、125人(選挙区75、比例代表50)が選ばれました。
選挙制度
参議院選挙には選挙方法が、「選挙区選挙」と「比例代表選挙」の2種類あります。ここでは、それぞれの特徴を紹介します。
選挙区選挙
選挙区選挙では、各都道府県ごとに区切り、候補者はある1つの選挙区で立候補します。複数の選挙区で立候補することはできません。有権者は自分の選挙区の候補者の中から1名のみ名前を記入します。他の選挙区の候補者の名前を書くことはできません。それぞれの選挙区での議席は人口に応じて決定されます。人口の多い都道府県では議席数が多く、人口の少ない都道府県では議席数が少なくなります。
比例代表選挙
比例代表選挙は全国単位/政党単位であり、各政党は事前に候補者名簿を提出します。選挙区選挙の候補者が比例代表選挙にも重複して立候補することは認められていません。従来、参議員選挙では、「ドント式による非拘束名簿式」という方式がとられていました。しかし、2019年の参院選から、拘束名簿式と非拘束名簿式の両方が併用されることになりました。
【公務員試験の最新時事】比例代表選挙の種類
比例代表制は仕組みが複雑で難しいので、ここで詳しく解説します。
ドント方式
ドント方式とは比例代表選挙における議席配分の計算方法の一つで、現在、日本の衆議院議員比例代表選挙、参議院議員比例代表選挙で採用されています。文章だけではわかりずらいかと思いますので、具体例で説明します。
具体例
条件を以下の通りに設定します。
【条件】
・対象議席数:6議席
・対象政党:政党A、政党B、政党C、政党D
・各党の得票数:政党A1,200票、政党B900票、政党C600票、政党D300票
決定方法は以下の通りとなります。
【決定方法】
手順① 各政党の得票数をそれぞれ1、2、3、・・・で割った表を作成します。
手順② 上記の表の値をすべて比較して、値が大きい順に6つ選び(赤色の数字)、縦の列を見て選ばれた欄の数が各政党の議席数になります(政党A3議席、政党B2議席、政党C1議席、政党D議席なし)。
非拘束名簿式
非拘束名簿式とは、当選する順番を決めずに、有権者の投票数によって当選順番を決める方法です。具体例で説明します。
具体例
条件、各政党の候補者名簿及び各政党の得票数は以下の通りに設定します。
【条件】
・対象議席数:3議席
・対象政党:政党A、政党B
・各党の総得票数:政党A450票、政党B300票
【各政党の候補者名簿】
【各政党の得票数】
決定方法は以下の通りとなります。
【決定方法】
手順① 各政党の総得票数を計算
手順② ドント方式により、政党Aは2議席、政党Bは1議席を獲得
手順③ 各政党内で候補者の得票数の多いほうから当選
D氏はG氏より得票数が少ないですが、所属する政党Aの総得票数が多いため当選となります。
拘束名簿式
拘束名簿式とは、名簿で当選する順番が各政党によって決められている方式です。簡単にいえば、当選させたい順に書いた名簿の上から順番に当選していきます。具体例で説明します。
具体例
条件、選挙区の候補者と結果は以下の通りに設定します。
【条件】
・政党Aは、選挙区選挙で4人を選出し2人が当選、比例代表選挙で5人を選出し2議席を確保
・選挙区と比例代表で重複する候補者がいる
・選挙区ではA氏とB氏が当選
【選挙区の候補者と結果】
【比例代表の候補者名簿】
選挙区と比例代表で重複する候補者がいる場合、それらの候補者の名簿順位を同一にすることができます。このときは、「惜敗率」を使って同一順位内の各候補者の順位を決定します。
【決定方法】
手順① 届出順位1位のE氏が当選
手順② 届出順位2位は3名いるが、選挙区で当選のB氏は除外。C氏とD氏では選挙区での惜敗率の高いC氏が当選。
【公務員試験の最新時事】衆議院選挙と参議院選挙の違い
上の表より、衆院選と参院選のどちらも仕組みが似ていまが、当選決定方式等で違うところがあります。
【公務員試験の最新時事】最新の選挙結果と試験に出る重要ポイント
2022年に参議院選挙が行われました。ここで選挙結果と今回の注目点を紹介します。
選挙結果
(出典:NHKHP)
今回の参院選では、与党(自民党+公明党)側が 76議席を獲得し、非改選(70議席)と合わせて146議席(全248議席)となり、過半数を維持しました。
試験に出る重要ポイント
投票率
今回の参院選の投票率は52.05%と、過去4番目に低い水準でした。前回(2019年)の参院選よりも増加したものの、投票率は依然として低い現状にあります。なお、10代の投票率は34.49%と、全体の投票率と比較して大幅に低い結果となり、若い人の投票率を上げることが今後の課題です。
期日前投票
今回の参院選で期日前投票を行った人は、前回(2019年)の選挙より約255万人増え、約1961万人でした。これは、有権者全体の18%程度に当たり、参院選においては過去最多となっています。
女性候補者
今回の参院選における女性候補者は181人と過去最多でした。これは、全候補者(545人)の33%程度です。
女性当選者
今回の参院選で当選した女性議員数は35人となり、全当選者(125人)に占める女性の割合は28.0%と過去最高でした。
【参議院議員選挙】出題ポイントまとめ
- 参議院選挙とは、「参議院議員の半数を改選」する選挙です。参議院議員の任期は6年ですが、衆議院と違い解散の制度がないため、3年ごとに定数の半分が改選される仕組みとなっています。
- 参議院選挙には選挙方法が、「選挙区選挙」と「比例代表選挙」の2種類あります。
- 選挙区選挙では、各都道府県ごとに区切り、候補者はある1つの選挙区で立候補します。
- 比例代表選挙は全国単位/政党単位であり、各政党は事前に候補者名簿を提出します。
- 衆院選と参院選のどちらも仕組みが似ていまが、当選決定方式等で違うところがあります。
【参議院議員選挙】過去の出題例
2019年・国家一般職大卒
2015年に公職選挙法が改正され、選挙権年齢は18歳以上となり、併せて被選挙権年齢も引き下げられ、衆議院議員及び参議院議員の被選挙権年齢は共に20歳以上となった。2017年の衆議院議員総選挙では、20代で当選した議員は20人を超え、若者の政界進出に一定の効果があった。(×)
2018年・東京都Ⅰ類
2016年7月の参議院議員通常選挙(以下「本件選挙」という。)の合憲性が争われた事件について、2017年9月に最高裁判所が言い渡した判決に関する記述として、妥当なものはどれか。
- 都道府県を単位として各選挙区の定数を設定する現行の方式を改めるなど、選挙制度の見直しを行う必要があるとした。(×)
- 2015年に改正された公職選挙法の附則について、今後の選挙制度の見直しに言及しておらず、定数格差の一層の是正に積極的とはいえないとした。(×)
- 本件選挙について、投票価値の不均衡が、違憲の問題が生ずる程度の著しい不平等状態にあったとはいえないとした。(〇)
- 一人一票の原則は民主主義の国際標準であり、本件選挙について、違憲状態を脱したと必ずしも明言することはできないとした。(×)
- 本件選挙について、6人の裁判官から違憲状態とする意見があったが、選挙を無効とする意見はなかった。
(×)
2013年・東京都Ⅰ類
平成22年 7 月の参議院議員通常選挙の合憲性が争われた事件について、昨年10月に最高裁判所が言い渡した判決に関する記述として、妥当なのはどれか。
- 参議院の選挙制度は、これまでの制度改正を通じて、都道府県を細分化した選挙区から都道府県単位の選挙区へと段階的に変更されるなど、衆議院の選挙制度とは、ますます異質なものとなってきているということができる。(×)
- 選挙制度の変遷とともに、急速に変化する社会の情勢の下で、議員の長い任期を背景に国政の運営における参議院の役割はこれまでにも増して大きくなってきているということができる。(〇)
- 憲法に定められた衆議院と参議院の役割の差異に照らせば、憲法は、参議院議員選挙における投票の価値の平等の要請について、衆議院議員選挙に比べると後退してもやむを得ないと認めているものと解される。(×)
- 選挙当時、選挙区間における議員一人当たりの選挙人数の最大較差は、これまでの参議院議員選挙の中で最も拡大しており、初めて違憲の問題が生じる程度の著しい不平等状態に至ったと認められる。(×)
- 投票の価値の不平等を解消するため、都道府県を単位として選挙区を設定する方式を前提とした上で、できるだけ速やかに各選挙区の定数を増減する立法的措置を講じる必要がある。(×)
2019年・特別区Ⅰ類
2018年7月に成立した改正公職選挙法に関する記述として、妥当なものはどれか。
- 参議院議員の定数を6人減とする改正公職選挙法は、衆議院本会議において、自由民主、公明両党の賛成多数で可決、成立した。(×)
- 参議院議員の総定数は、議員1人当たりの有権者数が最も多い埼玉選挙区の定数を2人減、比例代表選出議員の定数を4人減とし、248人となった。(×)
- 参議院議員の定数が減ったのは、沖縄の本土復帰に向け1970年に沖縄選挙区を設けて以来となった。(×)
- 参議院比例代表選挙では、拘束名簿式の一部に非拘束名簿式の特定枠が導入された。(×)
- 今回の改正法で導入された特定枠の制度では、政党その他の政治団体が、候補者のうち一部の者にあらかじめ順位を定め、当選者を優先的に決められる。
(〇)
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