こんにちは😊公務員のライトです!
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今回は、【公務員試験の最新時事:自殺問題】について、ポイントを解説していきます。
目次
【公務員試験の最新時事】自殺と社会問題
皆さんは、自殺と聞いてどんな印象を受けるでしょうか。「悲しい」や「原因はなんだろう」と、一定の関心はあるかと思いますが、どこか他人事のように捉えている方は少なくはないかと思います。
しかし、「1人の自殺は周辺の6人に対して強い影響を与える」ということが、WHOの文書にて言及されています。例えば、医療現場で生じた自殺の場合、自殺による影響は家族や友人、知人だけでなく医療従事者にも及びます。他にも、同じ病室の患者さん、病棟の患者さんにも多大な影響が及びます。自殺者と同じ境遇の患者さんは自分自身を投影することで自殺のリスクが高まることがあります。また、若い方が自殺をすることで、将来の有望な人材がなくなることになり、日本経済の衰退へとつながる恐れもあります。
【公務員試験の最新時事】自殺者の推移・現状
(出典:厚生労働省HP)
日本の自殺者は2010年以降、10年連続で減少し、2019年は2万169人と統計開始以来最小でしたが、2020年に11年ぶりに前年を上回りました。新型コロナウイルスの影響で職を失う、テレワークによる人間関係の希薄化が主な増加要因として挙げられます。
近年の自殺者数
2021年の自殺者数は、前年よりも74人少ない2万1007人となり、2年ぶりの減少となりました。2021年の自殺者を男女別に見ると、男性は12年連続で減っている一方、女性は2年連続の増加でした。総数は男性は1万3939人、女性は7068人と男性の自殺者数は女性の約2倍となっています。また、年齢別でみると、特に40代と50代の自殺者が多くなっています。
ただし、「女性の自殺者が増えている」という事実はしっかりと押さえておいてください!
【公務員試験の最新時事】自殺対策基本法
国は、自殺の対策として、2006年に「自殺対策基本法」が制定しました。また、2016年に都道府県及び市町村の地域自殺対策計画を義務付ける等の改正が行われました。そして、2017年に政府は、改正された基本法に基づき、政府が推進すべき自殺対策の指針として「自殺総合対策大綱」を策定しました。この大綱は、おおむね5年ごとに見直されており、2022年10月に新たな「自殺総合対策大綱」が閣議決定されました。
目的
自殺対策基本法の目的は、「自殺対策を総合的に推進して、自殺の防止を図り、あわせて自殺者の親族等に対する支援の充実を図り、もって国民が健康で生きがいをもって暮らすことのできる社会の実現に寄与する。」となっています。日本で自殺対策に関する初めての法律であり、加速度的に対策が進んでいきました。
2022年10月に閣議決定された新たな「自殺総合対策大綱」では、コロナ禍の影響などにより女性の自殺者が増加したことから「女性に対する支援の強化」が初めて重点施策に盛り込まれました!
試験に出題されるポイントはココです!
【公務員試験の最新時事】自殺総合対策大綱
自殺総合対策大綱では、子ども・若者の自殺対策、女性に対する支援の強化、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた対策などを各府省が連携して推進するとしています。
数値目標
数値目標としては、先進諸国の現在の水準まで減少させることを目指しています。具体的には、「2026年までに自殺死亡率(人口10万人当たりの自殺者数)を2015年比で30%以上減少」させることです。なお、2015年の自殺死亡率は18.5、2020年の自殺死亡率は16.4との結果でした。自殺総合対策大綱では、3つの基本認識があります。
自殺は、その多くが追い込まれた末の死
自殺は個人の自由な意思や選択の結果と思われがちですが、実際には、様々な要因が複雑に関係して心理的に追い込まれた末の死といえます。自殺を図った人の直前の心の健康状態の大多数は、うつ病やアルコール依存症などの精神疾患を発症しており、正常な判断を行うことができない状態となっていることが明らかになってきています。
自殺は、その多くが防ぐことができる社会的な問題
自殺は、制度、慣行の見直しや相談・支援体制の整備などの社会的な取組と、専門家への相談やうつ病などの治療について社会的な支援の手を差し伸べることによって、未然に防ぐことが可能であるといわれています。
自殺を考えている人は何らかのサインを発していることが多い
死にたいと考えている人も、心の中では「生きたい」という気持ちとの間で激しく揺れ動いていて、不眠や原因不明の体調不良などのサインを発していることが多くあります。しかし、一般的に精神科医などの専門家へ相談することに心理的な抵抗を感じる人は少なくありません。また、家族や職場の同僚など身近な人でも、自殺のサインに気づき難い場合もあるので、身近な人以外の人が自殺のサインに気づき自殺予防につなげていくことも重要です。
【公務員試験の最新時事】自殺問題に対する取組
日本政府は自殺問題に対し、自治体と連携して様々な取組を実施しています。
具体例
例えば、対面及び電話・SNS等の相談窓口の設置や、ゲートキーパーの養成、啓発活動等に取り組んでいます。さらに近年では、インターネットを用いた啓発活動や、LINEやTwitter、Skype等を用いたチャット・通話相談サービスに特に力を入れて取り組んでいます。非対面にすることで、相談への障害を少しでも少なくする効果が期待できます。
ゲートキーパー
ゲートキーパーとは、自殺の危険を示すサインに気づき、適切な対応(①悩んでいる人に気づき、②声をかけ、③話を聞いて、④必要な支援につなげ、⑤見守る)を図ることができる人のことです。政府はこのゲートキーパーを養成するためのテキストを作成し、市区町村などの自治体や民間団体などが研修を盛んに開催しています。研修をしっかり受ければ誰でもなることができます。
【自殺問題】出題ポイントまとめ
- 日本の自殺者は2010年以降、10年連続で減少し、2019年は2万169人と統計開始以来最小でしたが、2020年に11年ぶりに前年を上回りました。
- 2021年の自殺者数は、前年よりも74人少ない2万1007人となり、2年ぶりの減少となりました。男女別では、男性は12年連続で減っている一方、女性は2年連続の増加しています。総数は男性は1万3939人、女性は7068人と男性の自殺者数は女性の約2倍となっています。
- 国は、2006年に「自殺対策基本法」が制定し、2016年に都道府県及び市町村の地域自殺対策計画を義務付ける等の改正が行いました。そして、2017年に政府が推進すべき自殺対策の指針として「自殺総合対策大綱」を策定しており、この大綱は5年ごとに見直されています。そこで、2022年10月に新たな「自殺総合対策大綱」が閣議決定されました。
- 2022年10月に閣議決定された新たな「自殺総合対策大綱」では、コロナ禍の影響などにより女性の自殺者が増加したことから「女性に対する支援の強化」が初めて重点施策に盛り込まれました。
【自殺問題】過去の出題例
2021年・国家一般職大卒
自殺は、2018年に我が国で約3,000件発生しており、女性の割合が男性の割合よりはるかに高い。自殺の原因は健康問題の割合が高いため、生活習慣病などの基礎疾患を有する者の割合が高い中高年において、自殺は死因の1位を占めている。2010年から2018年までの自殺者の急増を受けて、2019年には自殺対策基本法が制定された。(×)
2013年・東京都Ⅰ類
2010年の日本の自殺率は、男女ともに、韓国よりも高いがアメリカよりも低く、OECD平均を下回っている。(×)
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