物理の基礎は土木の勉強を理解するための重要な知識です。
よく聞いておくようにね!
工学の基礎マスター(笑)の私が
土木の勉強で必要な『物理の基礎知識』を簡単にまとめて画像つきで説明していきたいと思います。
多少数学の知識も混ざっています。
私自身、今まで物理を勉強したことはありませんでした。
公務員試験で土木の問題を解くために物理をゼロから勉強して非常に大変な思いをしました。
だからこそゼロからスタートする人の気持ちがわかります。
わかりやすく解説しているので、
真剣に取り組めば誰でも理解できると思います。
でも、100%ではないですよね。
タイトルで大げさに100%と言ってしまったので(笑)
この記事をしっかり実践しても分からない時は、
私に直接わからないところを相談してください!
責任を持って丁寧に解説しますよ♪
では説明していきますね。
[voicel icon=”https://senseikoumuin.com/wp-content/uploads/2017/09/公務員イラスト先生1.png” name=”せんせい”]教養試験の物理対策として記事を書きなおしましたので【物理対策】のページを見ていただけると嬉しいです![/voicel] [voicer icon=”https://senseikoumuin.com/wp-content/uploads/2017/09/公務員イラスト4.png” name=”ネコ23歳”]↑土木について勉強するためにはまずは物理の基礎を理解すること!
勉強効率が確実に上がったわ![/voicer]
目次
【公務員試験の物理】構造力学を学ぶために必要な物理の基礎知識
公務員試験に出題される構造力学の問題を解くために必要な物理の知識はこれだけです。
- 力のつり合い
- 力の合成・分解
- (図形の重心)
物理の難しい問題を理解していなくても、この知識さえあれば構造力学の問題は解けます。
一つひとつ説明していきますね。
【公務員試験の物理】力のつり合いは基本的に3つ「タテ」「ヨコ」「回転」
物体を水平な床の上に置いてみます。そうしたら物体は静止して動かなくなりますよね。
実はいま、2つの力がはたらいてつりあって(静止して)いるんですね。
[物体に働く重力] = [抗力(床からの垂直抗力)]この2つ(同じ大きさ)がつりあっているんです。図で表すとこのようになります。
簡単そうに見えても初めて見たら全然わかんないんですね。
次は水平な床に置いた物体を引っ張ってみます。
動かそうと思いっきり引っ張っても動かない場合、この物体には水平方向に摩擦力がはたらきます。
つまり[摩擦力]=[引く力]となってつりあって(静止して)いるんです。
基本的に静止しているということは、上の図のように鉛直(タテ)方向と水平(ヨコ)方向にはたらく力がつりあっているということなんですね。
物理ではそのほかにもうひとつ、曲げモーメントと呼ばれる物体を回転させる力も考えなければいけないんですね。
【公務員試験の物理】「曲げモーメント」ってなに?
まずモーメントとは「ある点を中心に回転させようとする力」の事です。
物体を曲げる方向に作用するモーメントの事なんです。
大きさは「力」×「距離」で求められます。
簡単に説明すると、モノが曲がるときに働く力といった感じでしょうか?
物理という科目はイメージがものすごく大事なんですね!
なので難しい話は置いておいて、イメージで覚えていきましょう!
(独学で勉強した僕の勝手なイメージですが…)
ノートの端っこを持って水平にしてください。
そしたらノートはくにゃっとまがりますよね!
物理の問題で出てくるのは、これの壁にささった棒(板)バージョンです。
こんな感じで奥までさしたとするとそのうち手を放しても静止しますよね。
ではこの棒(板)の先端に缶ジュースを置いてみます。
それでも静止したままだとします。
その場合、この画像にはどのような力がはたらいているのでしょうか?
(※棒自体の重さは考えないとします。)
この時「A点」には鉛直方向のつりあいのほかに、曲げモーメントと呼ばれる力がはたらいてるんですね。
そして当然缶ジュースの重さもあるので力をすべて図示するとこのようになります。
缶ジュースの重さで棒(板)が回転しようとしますよね?
ですがこの画像では力はつりあって(静止して)いるんです。
「缶ジュースが棒を回転させようとする力」と「曲げモーメントという力」がつりあっている。
そんなイメージですね。
もちろん「時計回り」と「反時計回り」の力の大きさが等しいため静止するんですね。
曲げモーメントの大きさってどうやって求めるの?
先ほども簡単に説明しましたが曲げモーメントの大きさは、
「力」×「距離」で求められるんですね。
先ほどの画像でA点に自分がいるとすると(この考え方が大事です。)
缶ジュースまでの距離が長ければ長いほど強い力がはたらくと思いませんか?
その通りなんです。距離が離れるほど曲げモーメントの大きさは大きくなるんです。
なので今回の場合も、A点での曲げモーメントの大きさは
「缶ジュースにはたらく重力」×「棒の長さ」で求めることができます。
次回は力の合成と分解から説明します。お疲れさまでした!
曲げモーメントは難しいので、
こちらの記事でさらに深掘りして解説しています
【公務員試験の物理】「力の合成と分解」ってどうやるの?
公務員試験で出てくる問題を解くためには、力を合成したり分解したりするテクニックが必要なんですね。
僕も初めて斜めに力がはたらいている問題を見た時にはさっぱりわかりませんでした。
でも慣れてくると簡単なんですよね。
まずは力の合成から説明します。
力を合成する方法
5kgの箱の上に3kgの荷物を置きました。
どういった力がはららくでしょう?
これは知らなくてもイメージできる人が多いかもしれませんね。
そう下むきに50N+30N=80Nの力が加わります。(ちなみにニュートン[N]は、重さ[kg] × 重力加速度[m/s2]です。)
そして垂直抗力が上向きに80Nとなりますね。
(補足)一応物体ごとに細かく分けるとこのような力がはたらいていますね。
一つひとつ分けて考えることが物理の問題を考えやすくなるコツです。
黄色の30Nの力は5kgの箱に加わる3kgの荷物の垂直抗力です。
力の合成というのは単純に同じ向きの力ならそのまま足していいってことです。
3人で綱引きをする。
ひとり30Nの力(横向き)で引っ張る。
この場合、横向きに90Nの力が加わるんです。簡単ですよね?
次は力の分解について解説します。
斜めの力を分解する方法
物理の問題を解こうとすると斜めの力ってよく出てくるんですよね。
基本的には斜めの力はタテとヨコに分解しましょう!
この図を見てわかる通り、斜めの力F1はヨコの力F2とタテの力F3に分けて考えることができます。
イメージは簡単ですが、この知識だけでは力の大きさを求めることはできませんよね?
では力の大きさを求めるために必要な知識を教えます。
【公務員試験の物理】力の分解に必要な物理の基礎知識
三平方の定理、三角比、三角関数の知識が必要です。
とくに三角関数(サインやコサイン)は苦手な人が多いとおもいます。
中学や高校の数学の授業で一度くらいは聞いたことがありますよね。
安心してください。公務員試験の問題を解くために必要な知識は三平方の定理と三角関数の基礎だけなので。
わからない人の為に簡単に説明しますね。
まずは三平方の定理からいきます!
三平方の定理ってなんだっけ?
三平方の定理って言葉は聞いたことありますよね?
忘れてしまった人はこちらを参考に思い出してみてください。
直角三角形の辺の長さはこの公式で与えられるんですね。
一番長い斜めの辺「A」の長さの二乗は「B」の二乗と「C」の二乗を足したものと等しくなるというものです。
ためしに値を入れてやってみますね。
赤い四角のところの辺の長さがわからない、だけど他の2つの辺の長さはわかっている。
そんな時はこのように斜辺の長さを求めることができるんです。
中学の時に少しやったような気がしませんか?
忘れてしまった人はこの公式をきちんと覚えておいてくださいね。
次は三角比について説明します。
絶対に覚えなければいけない三角比
知識として絶対に覚えておかなければいけない図形の長さの比は2つあります。
まずひとつ目はこれです。
正三角形を半分に切った形の図形です。
30°60°90°の三角形となります。
この場合、上の図のように長さの比は「1:2:√3」となります。
良く出題される形なので絶対に覚えておきましょう!
ふたつ目は直角二等辺三角形です。
角度は45°45°90°となります。
二等辺という名前の通り二つの辺の長さは等しいんですね。
長さの比は「1:1:√2」となります。
うえの2つの三角比は絶対に覚えておいてください。
おまけにもうひとつ覚えておいたほうがよい三角比を紹介します。
三平方の定理のところでも少し説明しましたがこの図形です。
「3:4:5」の三角形。
覚えやすいですよね3、4、5!
僕も過去問や問題集をたくさん解いてみましたがこのパターン結構出題されています。
直角で3cm、4cm。それじゃあ斜辺は5cmだ。
それがわかるだけで時間短縮にもなりますし、覚えておくと便利でしょう。
次は嫌いな人も多いですが三角関数について説明します。
最低限必要な三角関数の知識って?
sinθ、cosθ、tanθ….見ただけで毛嫌いする人が多いですよね。
ですが安心してください。
基礎の部分をきちんと理解していれば公務員試験の問題を解くことができます。
ではその基礎の部分をわかりやすく説明していきますね。
まずはsin、cos、tan。この3つの図をみてください。
あとはこれを分数にするだけです!
この説明だけじゃあ意味わかりませんよね。
画像で説明します。
少しは感覚がつかめたでしょうか?
でもまだ意味わかりませんよね。
わかりやすくするために実際に値を入れてみますね。
先ほど説明したやりかたで解くとこのようになります。
ここまで読んだらそこそこ理解できたんじゃないでしょうか?
sin30°はなんだっけ?
cos30°は…?など忘れてしまった場合でも、
このやり方を覚えていたら図をかくことで思い出すことができます。
例えば、sin30°を忘れてしまったパターンでいくと
このように簡単に思い出すことができます。
便利ですよね?
ここまで説明した三角関数の知識は理解しておかないと後で大変です。
きちんと理解しておくようにしましょう。
【公務員試験の物理】物理的に力を分解してみよう
力の分解って結局、毎回おなじパターンなんですね。
なのでこの公式を覚えておくと便利です!
というかこの公式さえ覚えておけば力の分解は楽勝です。
実際に出題されるθの部分は30°や45°、それに60°ばかりです。
実際に値をいれてみるとこんな感じとなります。
あとは計算して大きさを求めましょう!
何問か解いてみると慣れてくるので練習あるのみです。
それでは実際の問題を例に斜めの力を分解してみます。
実際の物理問題を解いてみよう!
30°かたむいた粗い平面があります。
この平面に5kgの荷物を置いたところ、荷物は動かずに静止していました。
重力加速度gを10[m/s2]とする。
(ニュートンはm(質量) × g(重力加速度)で求められます。)
問1.この時はたらいている力をすべて図示せよ。
「重力」「垂直抗力」「摩擦力」の3つですよね。
ここまではできるようになりましたか?では問2いきます!
問2.この時の摩擦力と垂直抗力の大きさを求めてみよう。
3つとも力の向きがバラバラですよね。
こういう時に力の分解をしましょう!
この問題の場合、重力を分解するのがよさそうですよね。
重力を点線の2つの方向の力に分解してみます。
とりあえず分解だけするとこんな感じになりますね。
ここで注目してもらいたいのが角度についてです。
上の画像の!のついているところの角度は等しくなります。
慣れてくると簡単に角度を見つけられるようになりますが、
物理に慣れていない人はこの角度を毎回書き込んで体に染みつけるようにしましょう。
分解する力は決めたのでその大きさを計算してみますね。
重力の部分だけ切り取って考えてみます。
ちなみに物体にはたらく重力の大きさは5[kg] × 10[m/s2]で50[N]です。
摩擦力の方向には「紫の力」しかはたらいてないので
摩擦力は25[N]となります。
垂直抗力の方向にも「赤の力」しかはたらいてないので
垂直抗力は25√3[N]となります。
力の分解をマスターしていただけたでしょうか?
最後に図形の重心を簡単に説明して今回は締めたいと思います。
【公務員試験の物理】図形の重心に関する物理的な知識とは?
四角形の図形の重心ってどこだかわかりますか?
そりゃもちろん一番真ん中ですよね。
これは知らなくてもわかりそうですよね。
では三角形の重心はどこだかわかりますか?
詳しく説明すると長くなるのでこれだけ覚えてください。
三角形の重心は下から1/3の高さの位置にある。
物理的に重心に力が作用します
図形の重心に力が作用するんですね。
作用位置はどこ?って感じの問題をよく目にします。
イメージが大事なので実際に体験してみましょう!
ノートや教科書でもOKです。
重心を見つけることができたら水平になるはずです。
なんでこんなことをさせるのかというと、単純に大事だからですね。
わかりやすくつみきを使って考えてみます。
では赤色のつみきの重さはどの点に作用しているでしょう?
重さすべてが四角形なので真ん中に作用しているんですね。
では次は三角形のつみきをのせてみます。
先ほどの知識をいかすと三角形の場合はこうなりますね。
図をみたらなんとなくイメージつかめたでしょうか?
この知識は土木の勉強をするうえでかなり重要になりますので
しっかりとこの考え方を使いこなせるようにしましょう!
【公務員試験の物理】「物理専門対策」のまとめ
みなさんおつかれさまでした。
ながながとすみませんでした。
物理ってイメージが大事なのでどうしても図や画像が多くなってしまって…
またこれからも基礎知識や過去問の解説なんかものせていけれたらいいなと思います!
それではまた。
わからない所があればこちらからどうぞ!